建設業向け 引渡し書類チェックリスト
引渡しの直前は、現場が最も慌ただしくなる時期です。
手直しと片付けを進めながら、書類も揃えることになります。書類が揃わずに引渡しが延びるという事態は、この時期によく起こります。
防ぐ方法は単純で、必要な書類の一覧を工事の初めに作っておくことです。何が必要かが分かっていれば、工事の途中で少しずつ揃えられます。
このテンプレートは、書類ごとに担当と期限を持たせ、揃った順にチェックしていく形にしています。
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こんな方におすすめ
- 引渡しの直前に書類が揃わず慌てた経験のある方
- 保証書やミルシートの取り寄せに時間がかかる方
- 提出先と自社控えを分けて管理したい方
こんな場面で活用
工事の初めに一覧を作り、書類が発生するたびにチェックしていきます。引渡し直前にまとめて集めようとすると間に合いません。
テンプレートの項目について
このテンプレートには、次の項目が入っています。使わない項目は削除してお使いいただけます。
- 区分
- 書類名
- 必要な理由・根拠
- 担当
- 入手予定日
- 入手済
- 提出先
- 部数
- 自社控え
- 備考
Excelテンプレートのプレビュー
実際に配布しているファイルの、記入例シートの一部です。
| 引渡し書類チェックリスト 【記入例】 | ||||||||||
| 工事名 | ○○ビル新築工事(外部足場) | |||||||||
| 引渡し予定日 | 2026年12月5日 | |||||||||
| No | 区分 | 書類名 | 必要な理由・根拠 | 担当 | 入手 予定日 | 入手 済 | 提出先 | 部数 | 自社 控え | 備考 |
| 1 | 記録 | 工事写真台帳(No.045〜128) | 施工状況の記録 | 山田 | 2026/11/28 | 済 | 元請 | 1 | 有 | 電子データで提出 |
| 2 | 記録 | 足場の点検記録(全期間) | 安衛則567条の記録 | 山田 | 2026/11/28 | 済 | 元請 | 1 | 有 | |
| 3 | 材料 | 足場材の仕様書・強度資料 | 使用材料の確認 | 佐藤 | 2026/11/20 | 済 | 元請 | 1 | 有 | レンタル会社から入手 |
| 4 | 保証 | メッシュシートの防炎表示に関する資料 | 防炎性能の証明 | 佐藤 | 2026/11/25 | 元請 | 1 | 有 | メーカーに請求中 | |
ファイル形式
| 形式 | Excel(.xlsx) / PDF(印刷用) |
|---|---|
| 対応 | Microsoft Excel 2016以降 / Googleスプレッドシート / LibreOffice Calc |
| 用紙 | A4に収まるよう印刷範囲を設定済み |
| シート | 説明 / 記入用 / 記入例 / A4印刷用 |
| マクロ | 使用していません |
| ファイルサイズ | Excel 約 14 KB |
| 更新日 | 2026年8月21日 |
| 利用料 | 無料(会員登録は不要です) |
入力方法
- 上部の基本情報を埋めます。工事名・引渡し予定日・作成者などの欄を先に入れてください。
- 使わない列を削除します。自社で記入しない項目は、残しておくと空欄が並ぶだけになります。
- 1行に1件ずつ記入します。記入例シートを見ながら書くと、書き方が揃います。
- 気づいたことは備考に残します。後から見返したときに、数字だけでは分からない事情が伝わります。
- 区切りのよいところでファイルを分けて保存します。月ごと・工事ごとに分けると、後から探せます。
カスタマイズ方法
- 項目の追加・削除は自由です。ロックはかけていないため、自社の運用に合わせて変更できます。
- 提出先から様式の指定がある場合は、指定された様式が優先されます。この様式は、指定が無い場面や下書きとしてお使いください。
- 会社名やロゴを入れる場合は、ヘッダーの行に足してください。印刷範囲は自動で調整されます。
- A4印刷用シートは、手書きで記入する前提で行を高くしてあります。列を増やしたときは、印刷範囲の確認をおすすめします。
利用上の注意
引渡し書類の内容を一律に定めた法令の条文はありません。契約で定めた成果物のほか、建設業法施行規則が「営業に関する図書」として完成図や発注者との打合せ記録の保存を求めており、これらは引渡しから10年間の保存の対象とされています。
- このテンプレートは、法令が求める記載事項と、実務で求められることが多い項目を整理した参考様式です。特定の団体が定めた様式そのものではありません。
- 提出先から様式や記載事項の指定がある場合は、そちらが優先されます。
- 法令の要件や金額の基準は改正で変わることがあります。判断の前に、所管の官庁等で最新の内容をご確認ください。
書き方と運用のポイント
揃える書類の種類
工事の内容によって変わりますが、多くの工事で共通するのは次のものです。
| 区分 | 書類 |
|---|---|
| 図面 | 完成図、施工図、竣工配置図 |
| 記録 | 工事写真台帳、品質管理記録、工事日報 |
| 材料 | 主要資材の納品書、ミルシート、製品仕様書 |
| 保証 | 保証書、メーカー保証、防水などの保証年数 |
| 取扱い | 設備の取扱説明書、保守の方法 |
| 手続き | 各種届出の控え、検査済証 |
| 体制 | 施工体制台帳、施工体系図の最終版 |
保証書とミルシートが遅れやすい書類です。メーカーや商社から取り寄せる時間がかかるためです。
工事の途中で集める
引渡しの直前にまとめて集めようとすると、間に合いません。
材料の納品時に書類も一緒に受け取る、工種が終わるたびに保証書を請求する。発生した時点で集める運用にしておくと、最後に慌てずに済みます。
このチェックリストに「入手予定日」の列があるのは、逆算して動くためです。
誰に渡すかを分ける
同じ書類でも、渡す相手が複数になることがあります。
発注者に渡すもの、元請に渡すもの、自社で保管するもの。提出先の列を持たせておくと、部数の準備が正確になります。
自社控えを取り忘れるという失敗が起きやすいため、控えの有無も列に入れています。
電子と紙
近年は、電子データで引き渡す工事が増えています。
ファイル形式、フォルダの構成、命名の規則。これらが指定されている場合は、着工の段階で確認しておくと、最後に作り直す事態を避けられます。
引渡し後の保存
引渡しが済んだ後も、書類の保存は続きます。
完成図と発注者との打合せ記録は、営業に関する図書として引渡しから10年間の保存が求められています。施工体系図も同じ扱いです。
引渡しの時点で、渡した書類と自社に残す書類を分けてフォルダにまとめておくと、10年後に探せる形になります。
手直しの管理とあわせる
引渡しの前後は、手直しの依頼が集中する時期でもあります。
書類のチェックリストと同じファイルに、手直しの一覧を持たせている会社もあります。どちらも「引渡しまでに終わらせること」という点で共通しているためです。
分けて管理する場合も、両方が終わって初めて引渡しが完了するという認識で進めると、片方だけ終わって止まる事態を避けられます。
次の工事に引き継ぐ
作ったチェックリストは、次の工事でそのまま使えます。
工事の種類ごとに雛形を用意しておくと、初めの一覧づくりが数分で済みます。前回足りなかった書類を1行追加していけば、リストは使うほど精度が上がります。
よくある質問
下請の立場でも必要ですか。
元請へ提出する書類として、施工範囲の写真や品質記録、保証書を求められることが一般的です。範囲は元請の指示によりますが、リストを作っておくと確認が早く済みます。
保証書はいつ請求しますか。
材料や設備の納品時、または工種の完了時に請求しておく形が確実です。引渡し直前に請求すると、発行まで数週間かかることがあります。