建設業向け 近隣対応・苦情記録テンプレート
近隣からの申し出は、工事の進行に直接影響します。
対応を間違えると、作業時間の制限や、工事そのものの中断につながることがあります。逆に、初動が丁寧であれば、同じ内容でも関係が悪化しません。
記録を残す理由は2つあります。1つは、同じ申し出が繰り返されたときに経緯を追えること。もう1つは、担当者が変わったときに引き継げることです。
口頭のやり取りだけで進めると、前任者が何を約束したのかが分からなくなります。
このテンプレートは、申し出の1件を1行として、対応と結果まで残す形にしています。
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このテンプレートは誰向けですか
- 近隣から苦情を受けたことがある現場の方
- 担当者が変わっても経緯を引き継げるようにしたい方
- 同じ内容の申し出が続いている現場の方
どのような場面で使いますか
申し出を受けたその場で記入します。申し出の内容とこちらで確認した事実を分けて書くと、後から経緯を説明できます。
含まれる項目
このテンプレートには、次の項目が入っています。不要な項目は削除して構いません。
- 受付日時
- 受付者
- 申出者
- 区分
- 申し出の内容
- 事実確認
- その場の対応
- 後日の対応
- 完了日
- 結果
- 備考
Excel画面のプレビュー
実際のファイルの記入例シートです。
| 近隣対応・苦情記録 | ||
| この表について | 工事に関する近隣からの申し出と対応を1行で記録します。事実確認と対応、結果まで残せるため、引継ぎと経緯の説明に使えます。 | |
| 根拠・注意 | 近隣対応の記録そのものを定めた法令の条文はありません。騒音規制法や振動規制法は、特定建設作業について実施の届出と規制基準を定めており、自治体の条例で作業時間帯などが定められている場合があります。苦情への対応は、これらの規制の遵守状況を説明する材料にもなります。 | |
| シート構成 | 記入用 … パソコンで入力して使うシート(空欄) 記入例 … 書き方の見本 A3印刷用 … 印刷して手書きで使うシート。A3の1ページに収まります | |
| 使い方 | 1. 申し出の内容と、こちらで確認した事実は分けて書きます 2. その場で判断できないことは約束せず、いつ連絡するかを伝えます 3. 同じ区分の申し出が続く場合は、工程や工法の見直しを検討します 4. 事前周知の有無を備考に残すと、周知の効果が見えてきます 5. 受けたときにすることは「説明」シートに書いてあります 6. 重機の接触・物損・けがに関わる申し出は、その場で現場責任者へ連絡します 7. 「完了日」と「結果」が空の行は、まだ終わっていない件です | |
| 申し出を受けたときにすること(電話や声をかけられたときに読む) | まず聞く。最後まで聞いてから話す。その場で「うちではない」と否定しない。 その場で判断できないことは約束しない。いつ誰から連絡するかだけを伝える。 申し出の内容と、こちらで確認した事実は分けて書く。混ぜると、あとで説明できなくなる。 重機の接触・物損・けがに関わる申し出は、その場で元請の現場責任者へ連絡する。受けた人が抱えない。 「完了日」と「結果」が空の行は、まだ終わっていない。週に一度、空欄だけを見る。 | |
| 更新日 | 2026-09-15 | |
| 配布元 | 商い屋 建設(https://kensetsu.akinaiya.com) | |
| 【免責】本様式は一般的な項目を整理した参考資料です。法令で定められた様式そのものではありません。必要な記載事項・保存期間・提出先は、事業の種類・規模・所管行政庁の運用により異なります。実際の義務内容は所管行政庁または専門家にご確認ください。 | ||
| 近隣対応・苦情記録 | |||||
| 工事名 | |||||
| 現場責任者 | |||||
| No | 受付日時 | 受付者 | 申出者 | 区分 | 申し出の内容 |
| (空欄があと11行つづきます) | |||||
| 記入者(受け付けた人) | 確認(現場責任者) | ||||
| 備考 | |||||
| 商い屋 建設 https://kensetsu.akinaiya.com (2026-09-15 版) | |||||
このプレビューは左から6列まで(実際は12列)を表示しています。ダウンロードするファイルには全部入っています。
| 近隣対応・苦情記録 【記入例】 | |||||
| 工事名 | ○○ビル新築工事 | ||||
| 現場責任者 | 田中 一郎 | ||||
| No | 受付日時 | 受付者 | 申出者 | 区分 | 申し出の内容 |
| 1 | 2026/9/16 8:20 | 田中(元請) | 北側 ○○様 | 騒音 | 朝8時前から重機の音がする |
| 2 | 2026/9/28 15:40 | 山田(△△工業) | 東側 △△様 | 粉じん | 洗濯物に土ぼこりが付く |
| 3 | 2026/10/14 10:05 | 田中(元請) | 匿名(南側と思われる) | 通行 | ダンプが歩道側に寄って怖い |
| 4 | 2026/10/19 17:30 | 田中(元請) | 西側 □□様 | 駐車 | 職人の車が路上に停まっている |
| 記入者(受け付けた人) | 確認(現場責任者) | ||||
| 山田 太郎 | 田中 一郎 | ||||
| 備考 | |||||
| 10月は搬出関係が2件。搬出ルートと時間帯を11月から変更する。 | |||||
| 商い屋 建設 https://kensetsu.akinaiya.com (2026-09-15 版) | |||||
このプレビューは左から6列まで(実際は12列)を表示しています。ダウンロードするファイルには全部入っています。
| 近隣対応・苦情記録 | |||||
| 工事名 | |||||
| 現場責任者 | |||||
| No | 受付日時 | 受付者 | 申出者 | 区分 | 申し出の内容 |
| (空欄があと9行つづきます) | |||||
| 記入者(受け付けた人) | 確認(現場責任者) | ||||
| 備考 | |||||
| 商い屋 建設 https://kensetsu.akinaiya.com (2026-09-15 版) | |||||
このプレビューは左から6列まで(実際は12列)を表示しています。ダウンロードするファイルには全部入っています。
ファイル形式
| 形式 | Excel(.xlsx) / PDF(印刷用) |
|---|---|
| 対応 | Microsoft Excel 2016以降 / Googleスプレッドシート / LibreOffice Calc |
| 用紙 | A3に収まるよう印刷範囲を設定済み |
| シート | 説明 / 記入用 / 記入例 / A3印刷用 |
| マクロ | 使用していません |
| ファイルサイズ | Excel 約 15 KB |
| 更新日 | 2026年9月15日 |
| 利用料 | 無料(会員登録は不要です) |
入力方法
- 上部の基本情報を埋めます。工事名・元請会社名・現場責任者などの欄を先に入れてください。
- 使わない列を削除します。自社で記入しない項目は、残しておくと空欄が並ぶだけになります。
- 1行に1件ずつ記入します。記入例シートを見ながら書くと、書き方が揃います。
- 気づいたことは備考に残します。後から見返したときに、数字だけでは分からない事情が伝わります。
- 区切りのよいところでファイルを分けて保存します。月ごと・工事ごとに分けると、後から探せます。
カスタマイズ方法
- 項目の追加・削除は自由です。ロックはかけていないため、自社の運用に合わせて変更できます。
- 提出先から様式の指定がある場合は、指定された様式が優先されます。この様式は、指定が無い場面や下書きとしてお使いください。
- 会社名やロゴを入れる場合は、ヘッダーの行に足してください。印刷範囲は自動で調整されます。
- A3印刷用シートは、手書きで記入する前提で行を高くしてあります。列を増やしたときは、印刷範囲の確認をおすすめします。
利用上の注意
- 近隣対応の記録そのものを定めた法令の条文はありません。騒音規制法や振動規制法は、特定建設作業について実施の届出と規制基準を定めており、自治体の条例で作業時間帯などが定められている場合があります。苦情への対応は、これらの規制の遵守状況を説明する材料にもなります。
- このテンプレートは、法令が求める記載事項と、実務で求められることが多い項目を整理した参考様式です。特定の団体が定めた様式そのものではありません。
- 提出先から様式や記載事項の指定がある場合は、そちらが優先されます。
- 法令の要件や金額の基準は改正で変わることがあります。判断の前に、所管の官庁等で最新の内容をご確認ください。
書き方と運用のポイント
記録する内容
| 項目 | 書くこと |
|---|---|
| 受付日時 | いつ受けたか(時刻まで) |
| 申出者 | 氏名、住所(現場からの位置関係) |
| 受付者 | 誰が受けたか |
| 内容の区分 | 騒音、振動、粉じん、通行、駐車、その他 |
| 申し出の内容 | 相手の言葉に近い形で |
| 事実確認 | こちらで確認した状況 |
| 対応 | その場で行ったこと、後日行うこと |
| 結果 | 相手の反応、解決したか |
事実確認の欄を分けて持つことがポイントです。申し出の内容と、こちらが確認した事実は、必ずしも一致しません。両方を残しておくと、後から経緯を説明できます。
初動を決めておく
申し出を受けたときの手順を決めておくと、担当者によって対応が変わりません。
多くの現場では、次の順序で動いています。まず現場を確認し、原因になっている作業があれば一時的に止める。次に、相手へ状況と対応を伝える。最後に、記録を残して元請へ報告する。
その場で判断できないことを約束しないのが原則です。「確認して折り返します」と伝え、いつまでに連絡するかを決める形にすると、後の食い違いが減ります。
区分ごとに原因が違う
苦情の内容は、区分によって打てる手が変わります。
騒音と振動は、作業の時間帯と機械の選定が中心になります。粉じんは散水と養生、通行と駐車は誘導員の配置とルールの徹底です。
同じ区分の苦情が続く場合は、個別の対応では収まりません。 工程や工法そのものを見直す段階にあると考えた方が、結果的に早く収まります。
事前の周知とセットにする
苦情の多くは、予告なく状況が変わったときに起こります。
大きな音が出る作業、搬入の集中する日、通行止めの予定。これらを事前に知らせておくと、同じ作業でも受け止められ方が変わります。
この表の備考欄に、事前周知をしていたかどうかを書いておくと、周知の効果が見えてきます。
保存
近隣対応の記録に保存期間の定めはありません。
工事が終わった後に問題が持ち上がることもあるため、工事のフォルダにまとめて残しておく形が安全です。個人情報を含むため、保管場所と期間は社内で決めておきます。
受けた人が、その場で何をするか
近隣の方から声をかけられるのは、たいてい現場で作業している職人さんです。元請の責任者ではありません。
この様式では、受けたときにすることを「説明」シートに書いています。
- まず聞く。最後まで聞いてから話す
- その場で「うちではない」と否定しない
- その場で判断できないことは約束しない。いつ誰から連絡するかだけを伝える
重機の接触・物損・けがに関わる申し出は、その場で現場責任者へ連絡します。受けた人が抱えると、対応が遅れて話が大きくなります。
終わっていない件を見つける
「完了日」と「結果」の欄が空のままの行は、その場の対応で終わっている件です。
週に一度、空欄の行だけを見ます。近隣対応は、対応が遅れるほど話が長引きます。記入者・現場責任者・元請の欄は、いちばん下にあります。
よくある質問
匿名の申し出も記録しますか。
記録しておく方が安全です。同じ内容が繰り返されているかを判断する材料になります。申出者の欄には「匿名」と書き、分かる範囲で位置関係を残しておくと役に立ちます。
元請にはどこまで報告しますか。
内容にかかわらず、受けた事実は報告しておく形が一般的です。現場全体に関わる申し出(作業時間、通行)は、元請が窓口になって対応することになります。