建設発生土とは?搬出管理表と産廃との違い
公開 2026年9月1日
目次8項目
- 1建設発生土とは何を指すか
- 泥状のものは扱いが変わる
- 分別してから搬出する
- 再利用が前提になっている
- 土質の調査結果を先に見る
- 2建設発生土の搬出で求められる管理
- 発生量を計画の段階で見込む
- 搬出先を着工前に決める
- 運搬の記録をその日に残す
- 仮置きの場所と期間を決める
- 3建設発生土の搬出管理表に書く項目
- 車格ごとに台数を分ける
- 搬出先の住所まで書く
- 受入れの伝票を対で保管する
- 4建設発生土の搬出先をどう選ぶか
- 受入れの条件を先に確認する
- 適法な場所かを確認する
- 近くの現場で使えないか探す
- 運搬業者との条件を書面にする
- 5建設発生土と産業廃棄物の処分費
- 運搬の距離が費用を決める
- 分別すると廃棄物の費用が下がる
- 見積りの段階で数量を拾う
- 発生量が見込みを超えたときの動き
- 6建設発生土の記録の保存
- 工事ごとにまとめて保管する
- 産業廃棄物の管理票と分けて綴じる
- 電子で持つときは書き出しておく
- 7建設発生土でつまずきやすいところ
- 受入れ先に数量と時期を伝える
- 運搬の経路を確認する
- 記録の様式を現場に置く
- 8建設発生土の管理を工事台帳につなげる
- 請求書と台数を突き合わせる
- 見積りと実績を比べる
- 分別の効果を数字で見る
掘った土を運び出すだけのつもりが、受入れ先で断られて現場に戻ってくる。がれきや木くずが混ざっていると、それはもう土砂ではなくなるためです。
一般には、土砂そのものは建設発生土として扱い、混ざり物があるものは産業廃棄物として別の手続きに乗せます。この2つは根拠になる法令が違うため、記録の取り方も委託の相手も変わります。
ポイントはここです。建設発生土は、混ざり物の有無で扱いが変わり、そこから記録の取り方も分かれます。
ここでは、産業廃棄物との違い、搬出で求められる管理、管理表の書き方、そして搬出先の選び方を順に整理します。
建設発生土とは何を指すか
建設発生土は、工事で掘削して発生した土砂を指します。混ざり物の有無で、進める手続きが分かれます。
建設発生土
- 土砂そのもの
- 廃棄物処理法の対象外
- 搬出先と数量を記録
- 再利用が前提
建設汚泥や混合物
- がれきや木くずが混ざる
- 産業廃棄物として扱う
- マニフェストで管理
- 許可業者へ委託
ただし左は廃棄物処理法の対象外ですが、それは管理が要らないという意味ではありません。搬出先と数量を記録する必要は残ります。
泥状のものは扱いが変わる
同じ掘削で出たものでも、含水が多く泥状になっているものは建設汚泥として扱われます。そうなると産業廃棄物になり、許可業者への委託とマニフェストが必要です。
判断に迷う場面は、搬出の前に所管の自治体に確かめます。
分別してから搬出する
コンクリートの塊や木片が混ざったままだと、受入れ先で断られます。掘削の段階で分けておく形にします。
搬出の前に分別しておくと、受入れ先での差し戻しが起きません。
再利用が前提になっている
建設発生土は、他の工事の埋め戻しや盛土に使われます。そのため捨てるものではなく、資源として扱う考え方が土台にあります。
近くの現場で使えないかを先に探すと、運搬の費用も下がります。
土質の調査結果を先に見る
地盤の調査で土質が分かっている場合、その結果を先に確かめます。粘性土か砂質土かで、受入れ先の条件に合うかどうかが変わります。
汚染のおそれがある土地では、土壌汚染対策法にもとづく調査が関わる場面もあります。その場合は搬出そのものに手続きが必要になるため、着工前に確かめます。
建設発生土の搬出で求められる管理
搬出は、計画から記録の保管までがひとつながりになります。
- 1 計画 発生量と搬出先を見込む
- 2 搬出先の確認 受入れの条件を見る
- 3 運搬 車両と数量を記録
- 4 受入れの確認 到着を確かめる
- 5 記録の保管 工事の書類に添える
受入れの確認まで行う形にしておくと、運んだ先が分からない状態が生まれません。
発生量を計画の段階で見込む
掘削の数量から、発生する土の量を見込みます。土は掘ると膨らむため、掘削の数量より運ぶ量が多くなります。
その割合を見込んでおかないと、台数も費用も足りなくなります。
搬出先を着工前に決める
搬出先が決まらないまま掘り始めると、現場に土が積み上がります。仮置きの場所にも限りがあります。
着工前に決めておくと、掘削の工程が止まりません。
運搬の記録をその日に残す
台数と数量は、その日のうちに記録します。後からまとめると、伝票と突き合わせるのに時間がかかります。
現場に管理表を置いて、車両が出るたびに記入する形にします。
仮置きの場所と期間を決める
搬出先の受入れが工程と合わない場合、現場内で仮置きします。その場所と期間を、施工計画の段階で決めておきます。
仮置きした土が雨で流れ出すと、近隣への影響になります。シートで覆う、周囲に土のうを置くといった措置も決めておきます。
建設発生土の搬出管理表に書く項目
建設発生土の搬出管理表は、日付・搬出先・数量の3つが柱になります。
- いつ搬出した日
- どこへ搬出先と経路
- どれだけ台数と数量
このうち搬出先は、名称だけでなく所在まで書きます。同じ名前の受入れ先が複数ある場合もあります。
| 項目 | 内容 | 書き方の目安 |
|---|---|---|
| 搬出の日 | 運んだ日付 | 日ごとに1行以上 |
| 搬出先 | 受入れ先の名称と所在 | 住所まで書く |
| 運搬業者 | 運んだ会社 | 車両番号も添える |
| 台数 | その日の台数 | 車格ごとに分ける |
| 数量 | 立米での量 | 車格から換算する |
| 受入れの確認 | 到着の確認 | 伝票の番号を書く |
車格ごとに台数を分ける
4トン車と10トン車では、1台あたりの数量が違います。台数だけを数えると、数量が出せません。
車格ごとに列を分けておけば、換算がそのまま進みます。
搬出先の住所まで書く
名称だけでは、後から場所を特定できません。住所まで書いておくと、経路と距離も確かめられます。
複数の搬出先を使う工事では、それぞれ別の行にします。
受入れの伝票を対で保管する
受入れ先が発行する伝票を、管理表と対で保管します。伝票の番号を管理表に書いておけば、対応が分かります。
管理表と伝票が対になっていると、搬出の事実が書類で示せます。
仮置きの期間が長くなる場合は、施工計画書にも記載します。
建設発生土の搬出先をどう選ぶか
費用の比較は、条件と適法性を確かめたあとで行います。
- 受入れの条件に合う土か はい次へ いいえ別の候補を探す
- 適法に運営されている場所か はい次へ いいえ受入れの根拠を確認する
- 運搬の距離と経路は妥当か はい次へ いいえ費用と時間を再計算する
- 受入れの証明が出るか はい搬出先として選べる いいえ記録の残し方を確認する
費用の比較は、この4つを通ったあとで行う
適法性の確認は、費用の比較より先に置く形が安全です。
受入れの条件を先に確認する
受入れ先によって、受け入れられる土の性質が違います。含水の程度や、石の大きさに条件が付く場合があります。
そのため条件を確かめずに運ぶと、現場に戻すことになります。
適法な場所かを確認する
許可や届出が必要な場所であれば、その手続きが済んでいるかを確かめます。無許可の場所に運ぶと、依頼した側の責任も問われます。
運んだ先が適法かどうかは、こちらが確かめる部分です。
近くの現場で使えないか探す
自社や近隣の現場で埋め戻しに使えれば、搬出そのものが減ります。運搬の費用も受入れの費用もかかりません。
そのうえ工事の情報を社内で共有しておくと、この組み合わせが見つかります。
運搬業者との条件を書面にする
台数の単価か、立米あたりの単価かを決めて書面にします。待機の時間が発生したときの扱いも決めておきます。
現場での待機が長いと、その分の費用を後から請求されます。搬出の時間帯を分散させて、待機そのものを減らす形にします。
建設発生土と産業廃棄物の処分費
建設発生土の搬出にかかる費用は、運搬と処分に分かれます。
このうちいちばん大きいのは運搬で、距離によって大きく動きます。そのため近い搬出先を見つけられるかが、費用を左右します。
運搬の距離が費用を決める
同じ数量でも、片道の距離が2倍になれば運搬の費用も上がります。1日に往復できる回数が減るためです。
搬出先を選ぶ段階で、距離から台数と日数を計算します。
分別すると廃棄物の費用が下がる
混ざったまま出すと、全量が産業廃棄物として処分されます。分別すれば、土砂の部分は発生土として扱えます。
現場で分別する手間より、処分費の差が大きくなる場面があります。
見積りの段階で数量を拾う
発生土と廃棄物の数量を、見積りの段階で分けて拾います。一式で計上すると、実際との差が大きくなります。
掘削の数量と、解体で出るがれきの数量は別に拾います。
発生量が見込みを超えたときの動き
掘ってみると想定より多く出る場合があります。搬出先の受入れ枠と、運搬の台数を早めに調整します。
数量が大きく増えるときは、変更工事として見積りを出す対象にもなります。その判断のために、当初の見込みを記録に残しておきます。
建設発生土の記録の保存
工事関係の書類と同じ年数に合わせておくと迷いません。
発生土の記録も同じ年数に合わせておくと、まとめて処分できます。
工事ごとにまとめて保管する
搬出管理表と伝票を、その工事の書類と一緒にまとめます。後から確認を受けたときに、1か所から出せます。
年度で分けると、工期が年度をまたぐ工事が分断されます。
産業廃棄物の管理票と分けて綴じる
マニフェストは法令で保存が定められた書類です。発生土の管理表と混ぜると、探すときに手間がかかります。
そのため別に綴じて、背表紙に種類を書いておきます。
電子で持つときは書き出しておく
電子のマニフェストを使っている場合、記録はシステムに残ります。工事が終わった時点で、その工事の分を書き出しておきます。
契約が切れたときに見られなくなることを避けられます。
建設発生土でつまずきやすいところ
建設発生土の搬出が当日に止まる原因は、その前の確認にあります。
- 土の性質を確認したか はい次へ いいえ含水と混ざり物を見る
- 受入れ先に事前に伝えたか はい次へ いいえ数量と時期を連絡する
- 運搬の経路を確認したか はい次へ いいえ通行の制限を確かめる
- 記録の様式を現場に置いたか はい搬出を始められる状態 いいえ管理表を現場に置く
4つが済んでいれば、搬出の当日に止まらない
このうち2つ目を飛ばすと、受入れ先の当日の受入れ枠が埋まっていることがあります。
受入れ先に数量と時期を伝える
いつからいつまで、1日に何台くらい運ぶかを事前に伝えます。受入れ先にも1日の処理量に限りがあります。
伝えておけば、枠を確保してもらえます。
運搬の経路を確認する
大型車が通れない道や、時間帯で通行が制限される道があります。経路を確かめずに台数を計算すると、実際には運びきれません。
経路を着工前に確認しておくと、運搬の時間も費用も見込みどおりに収まります。
記録の様式を現場に置く
管理表が事務所にあると、その場で書けません。現場の詰所に置き、車両が出るたびに記入します。
書く欄を絞っておけば、記入は数十秒で済みます。
搬出の記録は、工事写真とあわせて残しておくと状況が伝わります。
積み込みの様子が分かる写真が1枚あれば足ります。
建設発生土の管理を工事台帳につなげる
記録と請求書を突き合わせてから、台帳に入れます。
- 1 搬出管理表 台数と数量を記録
- 2 請求書 運搬と受入れの費用
- 3 突き合わせ 台数が合うか確認
- 4 処分費集計表 品目ごとにまとめる
- 5 工事台帳 経費の欄へ
突き合わせを飛ばすと、請求された台数がそのまま原価になります。そのため自社の記録があってはじめて、確かめられます。
請求書と台数を突き合わせる
請求書の台数と、管理表の台数を並べます。差があれば、その日の運行を確かめます。
自社の記録があると、請求の内容を確かめられます。
見積りと実績を比べる
見積りで拾った数量と、実際に運んだ数量を比べます。差が出た場合、掘削の数量か土の膨らみ方の見込みに原因があります。
次の工事の見積りで、その割合を直します。
分別の効果を数字で見る
分別にかけた手間と、処分費が下がった額を比べます。効果が出ている工種は、次の工事でも同じ形にします。
品目ごとに集計しておくと、この比較ができます。
様式は建設発生土搬出管理表テンプレート、費用の集計は産廃処分費集計表からダウンロードできます。
よくある質問
建設発生土は産業廃棄物にあたりますか。
土砂そのものは廃棄物処理法の対象外として扱われる形が一般的です。ただし、がれきや木くずが混ざっているものは廃棄物として扱われます。混ざり物の有無で扱いが変わるため、搬出の前に確認しておくと後で止まりません。
搬出先はどのように確認しますか。
受入れの場所が適法に運営されているかを確認する形が求められています。受入れの証明や、搬出先の許可の状況を確認し、記録として残しておく方法が広く使われています。制度の見直しが続いている分野のため、最新の案内を確認しておくと安心です。
搬出の記録はいつまで残しますか。
制度上の定めのほか、工事の帳簿に添えるものとして残す形が広く使われています。工事関係の書類と同じ年数に合わせておくと、処分の判断で迷いません。