建設業向け 労務費集計表
出面表を付けている会社は多いのですが、そこで止まっていることがほとんどです。
出面表は「誰が何日入ったか」を記録します。原価管理で必要なのは「その工事にいくらかかったか」です。日数と金額の間には単価の掛け算があり、その一手間が挟まらないまま月が終わっていきます。
人工を金額に直して初めて、労務費が実行予算と比べられるようになります。 出面表のままでは、予算の労務費が正しかったのかどうかを検証できません。
このテンプレートは、人ごとの日数に単価を掛け、法定福利費まで含めて工事別に集計する形にしています。
出面表との違いは集計の向きです。 出面表は人ごと・日ごとに並べて「誰が何日入ったか」を見ます。この表は工事ごとにまとめて「その工事にいくらかかったか」を見ます。出面表から人工を持ってきて、単価と法定福利費を掛けるのがこの表の役割です。
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このテンプレートは誰向けですか
- 出面表は付けているが、労務費の金額にしていない方
- 1人が複数の現場に入る日が多く、工事別に分けられていない方
- 法定福利費を見積で内訳明示する必要がある方
どのような場面で使いますか
月末の締めのときに、出面表から人工を拾って集計します。工事ごとの合計を実行予算の労務費と突き合わせ、差が出たら人工と単価のどちらが原因かを見ます。
含まれる項目
このテンプレートには、次の項目が入っています。不要な項目は削除して構いません。
- 氏名
- 職種
- 区分
- 工事番号
- 工事名
- 人工
- 単価
- 賃金
- 法定福利費
- 労務費計
- 備考
Excel画面のプレビュー
実際のファイルの記入例シートです。
| 労務費集計表 | ||
| この表について | 出面表で拾った人工を、工事ごとの労務費に置き換える表です。人ごと・工事ごとに日数と単価を持ち、法定福利費を加えた労務費を集計します。結果は実行予算の労務費と突き合わせます。 | |
| 根拠・注意 | 労務費の集計方法を定めた法令はありません。労働基準法第108条は賃金台帳の調製を、同法第109条は賃金台帳などの記録の保存を求めています。労務費の集計表はこれとは別の管理資料ですが、賃金台帳と数字が食い違わないようにしておく必要があります。建設業では、法定福利費を内訳明示した見積書の取り扱いも広がっています。 | |
| シート構成 | 記入用 … パソコンで入力して使うシート(空欄) 記入例 … 書き方の見本 A4印刷用 … 印刷して手書きで使うシート。A4の1ページに収まります | |
| 使い方 | 1. 1人が1日に複数の現場へ入った日は0.5などで分けます。片方に丸めると工事別原価がずれます 2. 法定福利費は別の列で持ちます。見積書で内訳明示するときに、そのまま転記できます 3. 法定福利費率は表の上に書き、そこを直せば全行が計算し直される形にします 4. 常用(応援)は福利費が先方負担のことが多いため、0として区別します 5. 一式で請け負ってもらっている分はこの表に入れません。外注管理表と二重に数えることになります 6. 工事ごとの計を出し、実行予算の労務費と突き合わせます。差の原因は人工か単価のどちらかです 7. 賃金台帳と金額が食い違わないようにします。集計の単位が違っても、総額は一致するはずです | |
| 更新日 | 2026-08-26 | |
| 配布元 | 商い屋 建設(https://kensetsu.akinaiya.com) | |
| 【免責】本様式は一般的な項目を整理した参考資料です。法令で定められた様式そのものではありません。必要な記載事項・保存期間・提出先は、事業の種類・規模・所管行政庁の運用により異なります。実際の義務内容は所管行政庁または専門家にご確認ください。 | ||
| 労務費集計表 | |||||
| 対象月 | |||||
| 人工の出典 | |||||
| No | 氏名 | 職種 | 区分 | 工事番号 | 工事名 |
| (空欄があと21行つづきます) | |||||
| 備考 | |||||
| 商い屋 建設 https://kensetsu.akinaiya.com (2026-08-26 版) | |||||
このプレビューは左から6列まで(実際は12列)を表示しています。ダウンロードするファイルには全部入っています。
| 労務費集計表 【記入例】 | |||||
| 対象月 | 2026年8月度 | ||||
| 人工の出典 | 出面表(半日は0.5で計上) | ||||
| No | 氏名 | 職種 | 区分 | 工事番号 | 工事名 |
| 1 | 山田 太郎 | 職長 | 自社 | 2026-081 | ○○ビル新築工事 |
| 2 | 山田 太郎 | 職長 | 自社 | 2026-084 | △△倉庫 改修工事 |
| 3 | 佐藤 一郎 | 鳶工 | 自社 | 2026-081 | ○○ビル新築工事 |
| 4 | 高橋 健 | 鳶工 | 自社 | 2026-081 | ○○ビル新築工事 |
| 5 | 伊藤 誠 | 鉄筋工 | 自社 | 2026-084 | △△倉庫 改修工事 |
| 6 | 渡辺 工務店 | 型枠大工 | 常用 | 2026-081 | ○○ビル新築工事 |
| 7 | 渡辺 工務店 | 型枠大工 | 常用 | 2026-086 | □□邸 外構工事 |
| 8 | 中村 一人親方 | 防水工 | 常用 | 2026-084 | △△倉庫 改修工事 |
| 2026-081 | ○○ビル新築工事 計 | ||||
| 2026-084 | △△倉庫 改修工事 計 | ||||
| 2026-086 | □□邸 外構工事 計 | ||||
| 当月 合計 | |||||
| 備考 | |||||
| 8月度は90.0人工、労務費計2,404,275円。2026-081は60.5人工で1,610,815円。実行予算の労務費1,452,000円に対し、累計で超過が見込まれる。原因は雨天2日分の人工増で、次回の歩掛に反映する。 | |||||
| 商い屋 建設 https://kensetsu.akinaiya.com (2026-08-26 版) | |||||
このプレビューは左から6列まで(実際は12列)を表示しています。ダウンロードするファイルには全部入っています。
| 労務費集計表 | |||||
| 対象月 | |||||
| 人工の出典 | |||||
| No | 氏名 | 職種 | 区分 | 工事番号 | 工事名 |
| (空欄があと11行つづきます) | |||||
| 備考 | |||||
| 商い屋 建設 https://kensetsu.akinaiya.com (2026-08-26 版) | |||||
このプレビューは左から6列まで(実際は12列)を表示しています。ダウンロードするファイルには全部入っています。
ファイル形式
| 形式 | Excel(.xlsx) / PDF(印刷用) |
|---|---|
| 対応 | Microsoft Excel 2016以降 / Googleスプレッドシート / LibreOffice Calc |
| 用紙 | A4に収まるよう印刷範囲を設定済み |
| シート | 説明 / 記入用 / 記入例 / A4印刷用 |
| マクロ | 使用していません |
| ファイルサイズ | Excel 約 15 KB |
| 更新日 | 2026年8月26日 |
| 利用料 | 無料(会員登録は不要です) |
入力方法
- 上部の基本情報を埋めます。対象月・法定福利費率・人工の出典などの欄を先に入れてください。
- 使わない列を削除します。自社で記入しない項目は、残しておくと空欄が並ぶだけになります。
- 1行に1件ずつ記入します。記入例シートを見ながら書くと、書き方が揃います。
- 気づいたことは備考に残します。後から見返したときに、数字だけでは分からない事情が伝わります。
- 区切りのよいところでファイルを分けて保存します。月ごと・工事ごとに分けると、後から探せます。
カスタマイズ方法
- 項目の追加・削除は自由です。ロックはかけていないため、自社の運用に合わせて変更できます。
- 提出先から様式の指定がある場合は、指定された様式が優先されます。この様式は、指定が無い場面や下書きとしてお使いください。
- 会社名やロゴを入れる場合は、ヘッダーの行に足してください。印刷範囲は自動で調整されます。
- A4印刷用シートは、手書きで記入する前提で行を高くしてあります。列を増やしたときは、印刷範囲の確認をおすすめします。
利用上の注意
- 労務費の集計方法を定めた法令はありません。労働基準法第108条は賃金台帳の調製を、同法第109条は賃金台帳などの記録の保存を求めています。労務費の集計表はこれとは別の管理資料ですが、賃金台帳と数字が食い違わないようにしておく必要があります。建設業では、法定福利費を内訳明示した見積書の取り扱いも広がっています。
- このテンプレートは、法令が求める記載事項と、実務で求められることが多い項目を整理した参考様式です。特定の団体が定めた様式そのものではありません。
- 提出先から様式や記載事項の指定がある場合は、そちらが優先されます。
- 法令の要件や金額の基準は改正で変わることがあります。判断の前に、所管の官庁等で最新の内容をご確認ください。
書き方と運用のポイント
出面から労務費へ
流れは3段階です。
- 出面表から、人ごと・工事ごとの日数を拾う
- 単価マスタから、その人の職種の労務単価を引く
- 日数 × 単価 で労務費を出し、法定福利費を足す
1つ目でつまずくことが多くなります。1人が1日に2つの現場へ入った日、午前と午後で工事が違う日。ここを「どちらか一方」に丸めると、工事別の原価がずれます。0.5人工として分けて記録できる形にしておきます。
法定福利費を分けて持つ
労務費には、賃金のほかに事業主が負担する社会保険料があります。
健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険の事業主負担分です。これを労務単価に含めて持つか、別の列で持つかは会社によりますが、別の列で持つほうが後から使えます。 見積書で法定福利費を内訳明示する場面で、そのまま転記できるためです。
率は保険の種類と年度で変わります。表の上に率を書いておき、そこを直せば全行が計算し直される形にしておくと、改定のときに1か所で済みます。
常用と請負を分ける
同じ「外の人」でも、扱いが変わります。
| 区分 | 原価の区分 | 数え方 |
|---|---|---|
| 自社の従業員 | 労務費 | 人工数 × 労務単価 |
| 常用(応援) | 労務費または外注費 | 人工数 × 常用単価 |
| 請負(一式) | 外注費 | 契約金額 |
請負で出している分をこの表に入れると、外注管理表と二重に数えることになります。この表に入れるのは人工で数えるものだけにして、一式で出しているものは外注費として別に持ちます。
工事別に締める
月末に工事ごとの合計を出し、実行予算の労務費と突き合わせます。
ここで差が出たら、人工が増えたのか単価が上がったのかを区別します。人工が増えたなら歩掛の見直し、単価が上がったなら見積の単価の見直しと、打つ手が変わります。
出た数字は、そのまま予算実績対比表の労務費の行に入ります。
よくある質問
一人親方への支払いはどちらに入れますか。
契約の形で決まります。日単位で来てもらい人工で数えているなら労務費、工事の一部を一式で請け負ってもらっているなら外注費です。同じ人でも現場ごとに形が変わることがあるため、行ごとに区分を書いておきます。
法定福利費の率はどこを見ますか。
健康保険と厚生年金は日本年金機構が公表する保険料額表、雇用保険と労災保険は厚生労働省が公表する料率を確認します。労災保険率は事業の種類で異なり、建設業は工事の種類ごとに定められています。年度で改定されるため、期首に見直します。