建設業の週間工程表の作り方と打合せの進め方

公開 2026年9月1日

目次8項目

同じ階で3社が同時に作業して、どの職種も予定どおりに進まない。週の予定を各社が別々に持っていると、現場でぶつかってから気づくことになります。

一般には、翌週の予定を各社から出してもらい、場所と時間で重ねて調整します。その結果を週間工程表として掲示し、職長会で確認します。日程を示す表というより、段取りを決める場として使われている現場が多くあります。

ポイントはここです。建設業の週間工程表は、日程を示す表であると同時に、その週の段取りを決める場になります

ここでは、全体工程表との使い分け、書く項目、作り方と打合せの進め方、そして調整する重なりの種類を順に整理します。

建設業の週間工程表とは何を決める表か

建設業の週間工程表と全体工程表は、見ている期間も決めていることも違います。

全体工程表

  • 工期の全体を見る
  • 工種の順序と山場
  • 月の単位で動く
  • 発注者とも共有する

週間工程表

  • その週だけを見る
  • 職種と人数と場所
  • 日の単位で動く
  • 現場の中で使う
見ている期間も、決めていることも違う

ただし、全体工程表は工種の順序を示すもので、誰が何人入るかまでは書きません。そこを決めるのが週間工程表です。

職種の重なりを調整する

同じ場所で複数の職種が作業すると、互いに手が止まります。上下で作業が重なれば、安全の面でも問題になります。

週の単位で場所を割り振ると、この重なりを事前に解けます。

資材と機械の手配につながる

翌週に何をどれだけ使うかが決まれば、手配ができます。週の単位で決まっていると、手配のリードタイムに間に合います。

高所作業車のように台数の限られる機械は、早く押さえる必要があります。前の週に決まっていると、希望する機種を押さえられます。

人数の見込みを共有する

各社が翌週に何人入れるかを出し合うと、現場全体の人数が見えます。その人数で予定した作業が終わるかどうかも判断できます。

足りなければ、応援を頼むか工程を組み替えることになります。

建設業の週間工程表と全体工程表の使い分け

建設業の週間工程表を含む工程表は、見ている期間の長さで役割が分かれます。

  • 全体工程表 12 工期の全体
  • 月間工程表 4 その月の工種
  • 週間工程表 1 その週の職種と人数
  • 当日の作業指示 1 朝礼で共有
工程表の粒度(見ている期間の長さで比較)

このうち上から順に細かくなっていき、最後は当日の指示になります。どれか1つだけでは、全体の位置も当日の動きも決まりません。

全体工程表は山場を示す

全体工程表では、どの時期に人と機械が集中するかが分かります。その山場に向けて、資材の手配や応援の準備を進めます。

2つを並べて見ると、いまの位置が分かります。

月間工程表を挟む現場もある

工期の長い現場では、全体と週間の間に月間を挟みます。その月の工種と、山場の位置を示します。

規模の小さい現場では、全体と週間の2つで足ります。

当日の指示は朝礼で共有する

週間工程表で決めた内容を、当日の朝礼で確かめます。天候や前日の進み方で、その日の動きが変わることがあります。

変わった場合は、その場で伝えて工程表にも反映します。

建設業の週間工程表に書く項目

週間工程表は、場所・職種・人数の3つが柱になります。

  • どこで階数とエリア
  • 誰が職種と会社
  • 何人その日の人数
週間工程表は、場所・職種・人数の3つが柱になる

このうち場所が抜けていると、重なりを見つけられません。職種と人数だけを並べても、どこでぶつかるかが分からないためです。

項目内容書き方の目安
日付と曜日その週の各日休工日も表示する
場所階数とエリア現場共通の記号で
職種作業する職種会社名も添える
作業の内容何をするか短い言葉で
人数その日の予定人数職長を含むか決める
搬入と揚重資材の搬入と使用時間帯まで書く

場所の記号を現場で統一する

「北側」「A通り」といった呼び方が会社によって違うと、重なりを見落とします。図面にエリアの記号を振り、現場全体で同じ呼び方にします。

新しく入る会社にも、その記号を渡します。

揚重の取り合いを表に出す

クレーンや工事用エレベーターは、複数の会社が使います。時間帯まで書いておかないと、当日に取り合いになります。

搬入の予定と揚重の予定を、同じ表に並べます。

人数は職長を含むかを決める

職長や世話役を人数に含めるかどうかで、集計が変わります。人数の数え方を現場で1つに決めておくと、集計が合います。

含める場合も含めない場合も、様式の欄外に書いておきます。

休工日と作業の時間を明示する

土曜の稼働や、祝日の扱いを表に出しておきます。会社によって休みの日が違うと、当日になって人が来ないことがあります。

作業ができる時間帯も、近隣への約束として決まっています。その範囲を工程表にも書いておくと、時間を超える計画になりません。

建設業の週間工程表の作り方

建設業の週間工程表は、各社の予定を重ねてから調整に入ります。

  1. 1 各社へ依頼 翌週の予定を出してもらう
  2. 2 重ねる 場所と時間で並べる
  3. 3 調整 重なりを解く
  4. 4 打合せ 職長会で確認する
  5. 5 確定 掲示して共有
週間工程表は、各社の予定を重ねてから調整する

調整を先にすると、各社の事情が反映されません。そのためまず出してもらい、重ねてから解きます。ただし出てこない会社があると、そこだけ調整から漏れます。

提出の期限を決める

翌週の予定をいつまでに出してもらうかを決めます。木曜までという形にしておけば、金曜の職長会で確認できます。

期限を決めていないと、月曜になっても集まりません。

場所と時間で重ねる

出てきた予定を、場所ごとに並べます。同じエリアに複数の職種が入る日が、そこで見つかります。

そのうえ時間帯まで書いてもらっていれば、午前と午後で分けられる場面もあります。

予備の日を置く

天候や資材の遅れで、予定どおりに進まない日が出ます。週の中に余裕を置いておきます。

前半に置いておくと、後半で取り戻す余地が残ります。

新しく入る会社の初日を表に出す

その週から新しく入る会社があれば、初日を工程表に書きます。新規入場者の教育や、入場の手続きに時間がかかります。

初日から作業に入れる想定で人数を数えると、その日の進みが読めません。手続きの時間を見込んで予定します。

建設業の週間工程打合せの進め方

打合せは、前週の実績から始めて決定事項で終わります。

  1. 1 前週の実績 進んだところを確認
  2. 2 翌週の予定 工程表を示す
  3. 3 重なりの確認 各社から意見を聞く
  4. 4 危険の予知 混在作業の危険を共有
  5. 5 決定事項 打合せ簿に残す
打合せは、前週の実績から始めて決定事項で終わる

前週の実績を確かめずに翌週の話を始めると、遅れが積み上がります。

前週の実績から始める

予定どおりに進んだか、遅れたかを工種ごとに確かめます。遅れている工種があれば、その理由と取り返し方を決めます。

実績から始めると、翌週の予定が現実に近づきます。

混在作業の危険を共有する

同じ場所で複数の職種が作業する日は、危険が生まれます。上下作業、火気を使う作業の近くでの可燃物の扱いが対象になります。

その場で対策を決め、各社の職長が自社に持ち帰ります。

決定事項を打合せ簿に残す

その場で決まったことを、打合せ簿に書きます。決定事項に担当と期限を添えておくと、実行されたかを確認できます。

翌週の打合せで、その実行を確かめます。

検査や立会いの日を先に入れる

発注者の検査や、官庁の立会いがある日は、作業が制限されます。その日を先に工程表へ入れておきます。

準備にかかる時間も見込みます。清掃や資料の用意で、半日を使う場面もあります。

建設業の週間工程表で調整する重なり

建設業の週間工程表で調整するのは、場所・揚重・搬入・仮設設備の4つです。

  • 場所の重なり 5同じエリアに複数の職種
  • 揚重の重なり 4クレーンとエレベーター
  • 搬入の重なり 3車両の出入りと荷卸し
  • 電源と用水 2仮設設備の容量
週間工程で調整する重なりと、起きやすさの目安

このうちいちばん多いのが場所の重なりで、そのぶん影響も大きくなります。

上下作業を分ける

上の階と下の階で同時に作業すると、落下物の危険が生まれます。どうしても同時になる場合は、養生と立入禁止の措置を決めます。

逆に工程で分けられるなら、分けるほうが安全です。

揚重の時間帯を割り振る

クレーンやエレベーターの使用を、時間帯で割り振ります。午前は内装、午後は設備という形にします。

そのため割り振った時間を守るために、搬入の時間もそろえます。

搬入の時間を分散させる

同じ時間に複数の車両が来ると、荷卸しの場所も道路も詰まります。時間をずらして予定します。

近隣への影響も、この分散で小さくできます。

建設業の週間工程表でつまずきやすいところ

調整が打合せの場で終わらない原因は、その前の準備にあります。

  1. 各社への依頼の期限を決めているか はい次へ いいえ週の後半で期限を決める
  2. 場所の記号を統一しているか はい次へ いいえ図面に記号を振る
  3. 揚重の欄を置いているか はい次へ いいえ時間帯の欄を足す
  4. 決定事項を記録しているか はい調整できる形になっている いいえ打合せ簿に残す

4つがそろうと、調整が打合せの場で終わる

週間工程表が機能しているかの確認

予定が集まっていなければ、その場で聞き取りから始めることになります。

出てこない会社に個別に聞く

期限までに出してこない会社が出ます。そのままにすると、その会社の分だけ調整から漏れます。

個別に連絡して、その場で聞き取る形にします。

予定と実績の差を見る

出してきた予定と、実際に入った人数を比べます。毎回大きく違う会社があれば、予定の出し方に問題があります。

差の大きい会社の予定は、割り引いて見る判断ができます

変更を掲示に反映する

週の途中で工程が変わったら、掲示も差し替えます。古い工程表が貼られていると、そちらを見て動く人が出ます。

差し替えた日を書いておくと、いつの版かが分かります。

天候による組み替えを想定しておく

屋外の作業が続く週は、雨の日の代わりの作業を決めておきます。何もできない日が生まれると、その週の遅れがそのまま残ります。

室内でできる作業や、資材の整理を候補にしておきます。朝の時点で判断できるよう、前日までに決めておきます。

掲示する場所は、朝礼の場と詰所の2か所にしておくと目に入ります。

建設業の週間工程表を続く形にする

曜日・様式・記録の3つを固定すると、週の流れが習慣になります。

  • 曜日作る日と打合せの日
  • 様式毎週同じ形
  • 記録決定事項を打合せ簿へ
3つを固定すると、週の流れが習慣になる

毎週同じ曜日に同じ形で回っていれば、各社も予定を出す準備ができます。

曜日を固定する

予定を集める日、工程表を作る日、打合せの日を固定します。木曜に集めて金曜に打合せという形が広く使われています。

現場が変わっても同じ曜日にしておくと、各社も慣れます。

様式を工事ごとに変えない

現場ごとに様式が違うと、各社がそのつど書き方を覚え直します。会社として1つの様式を持ちます。

エリアの記号だけ、現場ごとに差し替える形にします。

打合せ簿と一緒に保管する

週間工程表と、その週の打合せ簿を一緒に綴じます。後から見たときに、なぜその工程になったかが分かります。

工期の終わりに並べて見ると、遅れが出た時期も追えます。

掲示した工程表は、週が終わったら日付を入れて保管します。

後から並べると、遅れが出た週が分かります。

様式は週間工程表テンプレート、打合せの記録は工事打合せ簿からダウンロードできます。

よくある質問

週間工程表はいつ作るとよいですか。

週の後半に翌週分を作る形が広く使われています。金曜に作って土曜の打合せで確認し、月曜から動く流れにすると、資材や応援の手配が間に合います。当日の朝に作ると、手配が追いつきません。

全体工程表があれば週間工程表は要らないのでしょうか。

見ている粒度が違うため、両方を使う形が一般的です。全体工程表は工種の順序と山場を示し、週間工程表はその週にどの職種が何人入るかを示します。週の単位まで落とさないと、重なりの調整ができません。

雨で工程が崩れたときはどうしますか。

その週のうちに組み直す形が扱いやすくなります。翌週の週間工程表に反映させると、遅れが1週間分そのまま後ろにずれます。天候の影響を受ける工種は、あらかじめ予備の日を置いておく方法もあります。

関連するテンプレート

関連する記事