建設業の週間工程表の作り方と打合せの進め方
公開 2026年9月1日
目次8項目
- 1建設業の週間工程表とは何を決める表か
- 職種の重なりを調整する
- 資材と機械の手配につながる
- 人数の見込みを共有する
- 2建設業の週間工程表と全体工程表の使い分け
- 全体工程表は山場を示す
- 月間工程表を挟む現場もある
- 当日の指示は朝礼で共有する
- 3建設業の週間工程表に書く項目
- 場所の記号を現場で統一する
- 揚重の取り合いを表に出す
- 人数は職長を含むかを決める
- 休工日と作業の時間を明示する
- 4建設業の週間工程表の作り方
- 提出の期限を決める
- 場所と時間で重ねる
- 予備の日を置く
- 新しく入る会社の初日を表に出す
- 5建設業の週間工程打合せの進め方
- 前週の実績から始める
- 混在作業の危険を共有する
- 決定事項を打合せ簿に残す
- 検査や立会いの日を先に入れる
- 6建設業の週間工程表で調整する重なり
- 上下作業を分ける
- 揚重の時間帯を割り振る
- 搬入の時間を分散させる
- 7建設業の週間工程表でつまずきやすいところ
- 出てこない会社に個別に聞く
- 予定と実績の差を見る
- 変更を掲示に反映する
- 天候による組み替えを想定しておく
- 8建設業の週間工程表を続く形にする
- 曜日を固定する
- 様式を工事ごとに変えない
- 打合せ簿と一緒に保管する
同じ階で3社が同時に作業して、どの職種も予定どおりに進まない。週の予定を各社が別々に持っていると、現場でぶつかってから気づくことになります。
一般には、翌週の予定を各社から出してもらい、場所と時間で重ねて調整します。その結果を週間工程表として掲示し、職長会で確認します。日程を示す表というより、段取りを決める場として使われている現場が多くあります。
ポイントはここです。建設業の週間工程表は、日程を示す表であると同時に、その週の段取りを決める場になります。
ここでは、全体工程表との使い分け、書く項目、作り方と打合せの進め方、そして調整する重なりの種類を順に整理します。
建設業の週間工程表とは何を決める表か
建設業の週間工程表と全体工程表は、見ている期間も決めていることも違います。
全体工程表
- 工期の全体を見る
- 工種の順序と山場
- 月の単位で動く
- 発注者とも共有する
週間工程表
- その週だけを見る
- 職種と人数と場所
- 日の単位で動く
- 現場の中で使う
ただし、全体工程表は工種の順序を示すもので、誰が何人入るかまでは書きません。そこを決めるのが週間工程表です。
職種の重なりを調整する
同じ場所で複数の職種が作業すると、互いに手が止まります。上下で作業が重なれば、安全の面でも問題になります。
週の単位で場所を割り振ると、この重なりを事前に解けます。
資材と機械の手配につながる
翌週に何をどれだけ使うかが決まれば、手配ができます。週の単位で決まっていると、手配のリードタイムに間に合います。
高所作業車のように台数の限られる機械は、早く押さえる必要があります。前の週に決まっていると、希望する機種を押さえられます。
人数の見込みを共有する
各社が翌週に何人入れるかを出し合うと、現場全体の人数が見えます。その人数で予定した作業が終わるかどうかも判断できます。
足りなければ、応援を頼むか工程を組み替えることになります。
建設業の週間工程表と全体工程表の使い分け
建設業の週間工程表を含む工程表は、見ている期間の長さで役割が分かれます。
このうち上から順に細かくなっていき、最後は当日の指示になります。どれか1つだけでは、全体の位置も当日の動きも決まりません。
全体工程表は山場を示す
全体工程表では、どの時期に人と機械が集中するかが分かります。その山場に向けて、資材の手配や応援の準備を進めます。
2つを並べて見ると、いまの位置が分かります。
月間工程表を挟む現場もある
工期の長い現場では、全体と週間の間に月間を挟みます。その月の工種と、山場の位置を示します。
規模の小さい現場では、全体と週間の2つで足ります。
当日の指示は朝礼で共有する
週間工程表で決めた内容を、当日の朝礼で確かめます。天候や前日の進み方で、その日の動きが変わることがあります。
変わった場合は、その場で伝えて工程表にも反映します。
建設業の週間工程表に書く項目
週間工程表は、場所・職種・人数の3つが柱になります。
- どこで階数とエリア
- 誰が職種と会社
- 何人その日の人数
このうち場所が抜けていると、重なりを見つけられません。職種と人数だけを並べても、どこでぶつかるかが分からないためです。
| 項目 | 内容 | 書き方の目安 |
|---|---|---|
| 日付と曜日 | その週の各日 | 休工日も表示する |
| 場所 | 階数とエリア | 現場共通の記号で |
| 職種 | 作業する職種 | 会社名も添える |
| 作業の内容 | 何をするか | 短い言葉で |
| 人数 | その日の予定人数 | 職長を含むか決める |
| 搬入と揚重 | 資材の搬入と使用 | 時間帯まで書く |
場所の記号を現場で統一する
「北側」「A通り」といった呼び方が会社によって違うと、重なりを見落とします。図面にエリアの記号を振り、現場全体で同じ呼び方にします。
新しく入る会社にも、その記号を渡します。
揚重の取り合いを表に出す
クレーンや工事用エレベーターは、複数の会社が使います。時間帯まで書いておかないと、当日に取り合いになります。
搬入の予定と揚重の予定を、同じ表に並べます。
人数は職長を含むかを決める
職長や世話役を人数に含めるかどうかで、集計が変わります。人数の数え方を現場で1つに決めておくと、集計が合います。
含める場合も含めない場合も、様式の欄外に書いておきます。
休工日と作業の時間を明示する
土曜の稼働や、祝日の扱いを表に出しておきます。会社によって休みの日が違うと、当日になって人が来ないことがあります。
作業ができる時間帯も、近隣への約束として決まっています。その範囲を工程表にも書いておくと、時間を超える計画になりません。
建設業の週間工程表の作り方
建設業の週間工程表は、各社の予定を重ねてから調整に入ります。
- 1 各社へ依頼 翌週の予定を出してもらう
- 2 重ねる 場所と時間で並べる
- 3 調整 重なりを解く
- 4 打合せ 職長会で確認する
- 5 確定 掲示して共有
調整を先にすると、各社の事情が反映されません。そのためまず出してもらい、重ねてから解きます。ただし出てこない会社があると、そこだけ調整から漏れます。
提出の期限を決める
翌週の予定をいつまでに出してもらうかを決めます。木曜までという形にしておけば、金曜の職長会で確認できます。
期限を決めていないと、月曜になっても集まりません。
場所と時間で重ねる
出てきた予定を、場所ごとに並べます。同じエリアに複数の職種が入る日が、そこで見つかります。
そのうえ時間帯まで書いてもらっていれば、午前と午後で分けられる場面もあります。
予備の日を置く
天候や資材の遅れで、予定どおりに進まない日が出ます。週の中に余裕を置いておきます。
前半に置いておくと、後半で取り戻す余地が残ります。
新しく入る会社の初日を表に出す
その週から新しく入る会社があれば、初日を工程表に書きます。新規入場者の教育や、入場の手続きに時間がかかります。
初日から作業に入れる想定で人数を数えると、その日の進みが読めません。手続きの時間を見込んで予定します。
建設業の週間工程打合せの進め方
打合せは、前週の実績から始めて決定事項で終わります。
- 1 前週の実績 進んだところを確認
- 2 翌週の予定 工程表を示す
- 3 重なりの確認 各社から意見を聞く
- 4 危険の予知 混在作業の危険を共有
- 5 決定事項 打合せ簿に残す
前週の実績を確かめずに翌週の話を始めると、遅れが積み上がります。
前週の実績から始める
予定どおりに進んだか、遅れたかを工種ごとに確かめます。遅れている工種があれば、その理由と取り返し方を決めます。
実績から始めると、翌週の予定が現実に近づきます。
混在作業の危険を共有する
同じ場所で複数の職種が作業する日は、危険が生まれます。上下作業、火気を使う作業の近くでの可燃物の扱いが対象になります。
その場で対策を決め、各社の職長が自社に持ち帰ります。
決定事項を打合せ簿に残す
その場で決まったことを、打合せ簿に書きます。決定事項に担当と期限を添えておくと、実行されたかを確認できます。
翌週の打合せで、その実行を確かめます。
検査や立会いの日を先に入れる
発注者の検査や、官庁の立会いがある日は、作業が制限されます。その日を先に工程表へ入れておきます。
準備にかかる時間も見込みます。清掃や資料の用意で、半日を使う場面もあります。
建設業の週間工程表で調整する重なり
建設業の週間工程表で調整するのは、場所・揚重・搬入・仮設設備の4つです。
このうちいちばん多いのが場所の重なりで、そのぶん影響も大きくなります。
上下作業を分ける
上の階と下の階で同時に作業すると、落下物の危険が生まれます。どうしても同時になる場合は、養生と立入禁止の措置を決めます。
逆に工程で分けられるなら、分けるほうが安全です。
揚重の時間帯を割り振る
クレーンやエレベーターの使用を、時間帯で割り振ります。午前は内装、午後は設備という形にします。
そのため割り振った時間を守るために、搬入の時間もそろえます。
搬入の時間を分散させる
同じ時間に複数の車両が来ると、荷卸しの場所も道路も詰まります。時間をずらして予定します。
近隣への影響も、この分散で小さくできます。
建設業の週間工程表でつまずきやすいところ
調整が打合せの場で終わらない原因は、その前の準備にあります。
- 各社への依頼の期限を決めているか はい次へ いいえ週の後半で期限を決める
- 場所の記号を統一しているか はい次へ いいえ図面に記号を振る
- 揚重の欄を置いているか はい次へ いいえ時間帯の欄を足す
- 決定事項を記録しているか はい調整できる形になっている いいえ打合せ簿に残す
4つがそろうと、調整が打合せの場で終わる
予定が集まっていなければ、その場で聞き取りから始めることになります。
出てこない会社に個別に聞く
期限までに出してこない会社が出ます。そのままにすると、その会社の分だけ調整から漏れます。
個別に連絡して、その場で聞き取る形にします。
予定と実績の差を見る
出してきた予定と、実際に入った人数を比べます。毎回大きく違う会社があれば、予定の出し方に問題があります。
差の大きい会社の予定は、割り引いて見る判断ができます。
変更を掲示に反映する
週の途中で工程が変わったら、掲示も差し替えます。古い工程表が貼られていると、そちらを見て動く人が出ます。
差し替えた日を書いておくと、いつの版かが分かります。
天候による組み替えを想定しておく
屋外の作業が続く週は、雨の日の代わりの作業を決めておきます。何もできない日が生まれると、その週の遅れがそのまま残ります。
室内でできる作業や、資材の整理を候補にしておきます。朝の時点で判断できるよう、前日までに決めておきます。
掲示する場所は、朝礼の場と詰所の2か所にしておくと目に入ります。
建設業の週間工程表を続く形にする
曜日・様式・記録の3つを固定すると、週の流れが習慣になります。
- 曜日作る日と打合せの日
- 様式毎週同じ形
- 記録決定事項を打合せ簿へ
毎週同じ曜日に同じ形で回っていれば、各社も予定を出す準備ができます。
曜日を固定する
予定を集める日、工程表を作る日、打合せの日を固定します。木曜に集めて金曜に打合せという形が広く使われています。
現場が変わっても同じ曜日にしておくと、各社も慣れます。
様式を工事ごとに変えない
現場ごとに様式が違うと、各社がそのつど書き方を覚え直します。会社として1つの様式を持ちます。
エリアの記号だけ、現場ごとに差し替える形にします。
打合せ簿と一緒に保管する
週間工程表と、その週の打合せ簿を一緒に綴じます。後から見たときに、なぜその工程になったかが分かります。
工期の終わりに並べて見ると、遅れが出た時期も追えます。
掲示した工程表は、週が終わったら日付を入れて保管します。
後から並べると、遅れが出た週が分かります。
様式は週間工程表テンプレート、打合せの記録は工事打合せ簿からダウンロードできます。
よくある質問
週間工程表はいつ作るとよいですか。
週の後半に翌週分を作る形が広く使われています。金曜に作って土曜の打合せで確認し、月曜から動く流れにすると、資材や応援の手配が間に合います。当日の朝に作ると、手配が追いつきません。
全体工程表があれば週間工程表は要らないのでしょうか。
見ている粒度が違うため、両方を使う形が一般的です。全体工程表は工種の順序と山場を示し、週間工程表はその週にどの職種が何人入るかを示します。週の単位まで落とさないと、重なりの調整ができません。
雨で工程が崩れたときはどうしますか。
その週のうちに組み直す形が扱いやすくなります。翌週の週間工程表に反映させると、遅れが1週間分そのまま後ろにずれます。天候の影響を受ける工種は、あらかじめ予備の日を置いておく方法もあります。