建設現場入場届出書の書き方|特定技能と添付書類
公開 2026年8月23日
目次8項目
- 1一号特定技能外国人 建設現場入場届出書が求められる理由
- 制度ごとに様式が分かれている
- 元請が把握する必要がある
- 作業員名簿と一緒に出す
- 2建設現場入場届出書の前に在留カードで確認する
- 在留カードの原本を見る
- 在留期間の更新を管理する
- 就労できる業務の範囲
- 3建設現場入場届出書と他の在留資格の見分け方
- 在留カードの見るところ
- 資格外活動では現場作業ができない
- 4建設現場入場届出書と受入計画の認定
- 月給制が求められる理由
- 認定内容の変更
- JACへの加入
- 5建設現場入場届出書とキャリアアップシステム
- カードの色と経験
- 現場でカードを携行する
- 登録の更新を管理する
- 6一号特定技能外国人 建設現場入場届出書に添付する書類
- 写しの取り方
- 個人情報の扱い
- 元請の指定様式を確認する
- 7建設現場入場届出書を出した後の管理
- 期限の一覧を作る
- 支援の実施状況も残す
- 現場が変わったら出し直す
- 8建設現場入場届出書と他の安全書類の整合
- 教育は言葉が通じる形で行う
- 作業員名簿との照合
- 保管の期間
外国人を現場に入れるとき、いちばん時間を取られるのは書類そのものではなく、どの制度の人なのかを確かめる段階です。在留資格によって使う様式が変わるため、そこを間違えると出し直しになります。
一般には、在留カードとパスポートの指定書で資格と分野を確認し、それから該当する届出書に記入していきます。特定技能1号の場合は、会社の側でも先に済ませておく手続きがあるため、当日になって慌てることがあります。
ポイントはここです。建設分野の特定技能には、他の分野には無い要件が3つあります。
ここでは、なぜこの届出書が要るのか、在留カードで何を見るのか、受入計画の認定とキャリアアップシステムがどう関わるのか、そして添付書類と出した後の管理までを順に整理します。
一号特定技能外国人 建設現場入場届出書が求められる理由
外国人を受け入れる制度は1つではなく、それぞれ目的も要件も違います。
建設業では、就労できる外国人の在留資格が複数あり、それぞれ制度も要件も違います。現場でこれを見分けるために、資格ごとに別の届出書が用意されています。
- 3つ建設分野に固有の要件
- 3点基本の添付書類
- 月給制報酬の支払形態
3つの要件とは、建設特定技能受入計画の認定、キャリアアップシステムへの登録、そして月給制での支払いです。いずれも他の分野の特定技能には無いもので、建設業だけに課されています。この3つが揃っていないと、届出書を出しても受理されません。
そのため、書類を書き始める前に、この3つが済んでいるかを先に確かめます。
制度ごとに様式が分かれている
特定技能1号、技能実習、特定活動の建設就労者では、それぞれ別の様式が用意されています。同じ「外国人が現場に入る」場面でも、確認すべき事項が制度ごとに違うためです。
技能実習であれば技能実習計画の認定を確かめますが、特定技能では受入計画の認定になります。様式を間違えると、必要な確認事項が抜けたまま提出することになります。
この場合、元請から差し戻されるだけでなく、確認していなかった要件が後から問題になることもあります。
元請が把握する必要がある
元請には、現場に入る全員の身元と就労資格を把握する責任があります。外国人については、就労できる資格を持っているかどうかが特に重要になります。
不法就労助長罪は、雇っている会社だけでなく、知らずに就労させた元請にも及ぶ可能性があります。だからこそ、元請は書類の形で確認した記録を残しておきたいと考えます。
届出書は、その確認を形にしたものです。
作業員名簿と一緒に出す
この届出書は、作業員名簿の代わりになるものではありません。作業員名簿には現場に入る全員を書き、そのうえで外国人については届出書を添えます。
名簿には氏名・生年月日・所属・従事する作業を書き、届出書には在留資格や受入計画の認定といった詳しい内容を書きます。役割が分かれています。
そのため、片方だけを出すと、元請の側で確認が完了しません。
建設現場入場届出書の前に在留カードで確認する
建設現場入場届出書を書き始める前に、本人が持っている在留カードを見ます。
在留カードには在留資格と在留期間が書かれており、そこで様式が決まります。特定技能1号であっても、分野が建設でなければこの様式は使えません。
- 在留資格が「特定技能1号」か はい次へ いいえ別の様式を使う
- 在留期間が切れていないか はい次へ いいえ更新の状況を確認
- 指定書の分野が建設か はいこの様式で届け出る いいえ就労できる範囲を確認
3つのうち1つでも外れると、この様式では届け出られない
3番目の指定書は、パスポートに貼られている書類です。
在留カードだけを見ても分野までは分からないため、指定書まで確かめます。分野が「建設」以外になっていれば、その人は建設現場で就労できません。
在留カードの原本を見る
写しだけで済ませると、有効期限や偽変造に気づけないことがあります。入場前に原本を提示してもらい、その場で表と裏の両方を確認します。
裏面には、在留期間の更新申請中であることや、資格外活動の許可が記載される場合があります。表だけ見ていると、この情報が抜けます。
出入国在留管理庁の在留カード等番号失効情報照会で、番号が失効していないかを確かめる方法もあります。
在留期間の更新を管理する
在留期間が切れると、その時点で就労できなくなります。更新の申請は期間満了の3か月前から受け付けられるため、そこを目安に動きます。
とはいえ、本人任せにしていると申請が遅れることがあります。会社の側で期限の一覧を作り、更新の状況を追う形にしておくと取りこぼしが減ります。
申請中であれば、在留カードの裏面か申請受付票で状況が確認できます。
就労できる業務の範囲
特定技能1号の建設分野には、土木・建築・ライフライン設備という3つの区分があります。認定を受けた区分の中の業務であれば、幅広く従事できます。
一方で、区分から外れる作業に就かせると、資格外の就労になる可能性があります。配置を変えるときは、区分を確かめます。
区分は、受入計画の認定証に書かれている内容と対応させます。
建設現場入場届出書と他の在留資格の見分け方
建設現場入場届出書は、在留資格ごとに様式も確認する事項も変わります。
同じ会社に複数の制度の外国人がいると、この見分けを毎回することになります。一覧の形で手元に置いておくと、確認が早くなります。
| 在留資格 | 使う様式 | 建設分野に固有の要件 |
|---|---|---|
| 特定技能1号 | 一号特定技能外国人 建設現場入場届出書 | 受入計画の認定・CCUS登録・月給制 |
| 技能実習 | 外国人技能実習生 建設現場入場届出書 | 技能実習計画の認定 |
| 特定活動(建設就労者) | 外国人建設就労者 建設現場入場届出書 | 適正監理計画の認定 |
| 身分に基づく在留資格 | 通常の作業員名簿のみ | 就労の制限なし |
| 技術・人文知識・国際業務 | 通常の作業員名簿のみ | 現場作業は範囲外のことが多い |
届出書が要る資格
- 特定技能1号(建設分野)
- 技能実習(建設関係の職種)
- 特定活動(建設就労者)
届出書が要らない資格
- 永住者
- 日本人の配偶者等
- 永住者の配偶者等
- 定住者
右側は、就労の制限が無い資格です。
右側の人は日本人と同じように働けるため、作業員名簿だけで足ります。逆に左側であれば、資格に応じた届出書を添える形になります。
在留カードの見るところ
在留カードの「就労制限の有無」の欄に、その人が何をできるかが書かれています。「就労制限なし」であれば身分に基づく資格、「在留資格に基づく就労活動のみ可」であれば資格の範囲内での就労になります。
「就労不可」と書かれていても、裏面に資格外活動の許可があれば、その範囲で働ける場合があります。ただし建設現場の作業は、その範囲に入りません。
まず表の欄を見て、次に裏面を見る順にすると見落としが減ります。
資格外活動では現場作業ができない
留学生などが持つ資格外活動の許可は、週28時間までという制限が付きます。それに加えて、業種にも制限があります。
建設現場での作業は、この許可の範囲では認められていません。人手が足りない場面でも、この点は動かせません。
そのため、資格外活動の許可を根拠に現場へ入れることはできない、と考えておきます。
建設現場入場届出書と受入計画の認定
建設現場入場届出書を出す前提として、国土交通大臣の認定を受ける必要があります。
| 認定で確認される主なもの | 中身 |
|---|---|
| 報酬の額 | 同等の技能を持つ日本人と同等以上 |
| 報酬の支払形態 | 月給制であること |
| キャリアアップの計画 | 技能の習得と処遇の見通し |
| 建設業許可 | 受け入れる事業者が有していること |
| キャリアアップシステム | 事業者と技能者の登録 |
| 技能者の受入れ人数 | 常勤の職員数を超えないこと |
差し戻されやすい状態
- 認定を受ける前に就労させている
- 日給や時給で支払っている
- 認定を受けた区分と違う作業をしている
- 認定証の写しを添えていない
整っている状態
- 認定を受けてから受け入れている
- 月給制で支払っている
- 認定の区分の中で作業している
- 認定証の写しを添えている
右側は、どれも届出書を出す前に済ませておく事項です。
認定の申請から結果が出るまでには、一定の期間がかかります。そのため、現場に入る日から逆算して動く形になります。
月給制が求められる理由
建設業では、天候によって仕事ができない日が出ます。日給や時給だと、そのぶん収入が落ち、生活が安定しません。
外国人が短期間で離職する背景に、この収入の変動があると考えられています。だからこそ、建設分野の特定技能では月給制が要件になっています。
安定した収入があることが、技能の習得を続ける前提になるという考え方です。
認定内容の変更
認定を受けた後で、報酬や業務の区分、受け入れる人数が変わることがあります。そのときは、変更の認定を受けます。
とはいえ、変更の手続きを取らずに実態だけが変わっていると、届出書に書いた内容と現場の実態がずれます。監査の場面で指摘される部分です。
変えるときは、先に手続きをしてから実態を変える順にします。
JACへの加入
建設技能人材機構(JAC)への加入も、受け入れの要件になっています。正会員である団体に所属するか、賛助会員として直接加入するかのどちらかです。
加入していることを示す書類を、届出書に添えることがあります。元請の指定様式によっては、加入の区分まで書く欄があります。
建設現場入場届出書とキャリアアップシステム
キャリアアップシステムの登録は、届出書に書く項目に直結します。
- 1 事業者登録 受け入れる会社が登録
- 2 技能者登録 本人が登録・IDが発行
- 3 カードの受取 色は経験に応じて
- 4 現場で読み取り 入退場の記録が残る
- 5 届出書に記載 技能者IDと事業者ID
流れの最後で、技能者IDと事業者IDの2つを届出書に書く形になります。
登録からIDの発行までには時間がかかります。そのため、受け入れが決まった段階で手続きを始めておくと、入場の日に間に合います。
カードの色と経験
キャリアアップカードの色は、経験と資格に応じて4段階に分かれています。白から始まり、青、銀、金と上がっていきます。
特定技能で来日した人は、多くの場合まず白から始まります。現場での就業日数が積み上がることで、上位の色に上がる仕組みです。
この積み上げが、技能実習から特定技能への移行や、その後の処遇にもつながっていきます。
現場でカードを携行する
カードを持っていても、現場に持参しなければ入退場の記録が残りません。記録が残らないと、就業日数が積み上がらないことになります。
そのうえで、カードリーダーが設置されている現場では、朝と夕方の両方で読み取ります。片方だけだと就業日として計上されません。
在留カードとあわせて、携行するものとして周知しておきます。
登録の更新を管理する
事業者登録も技能者登録も、有効期間があります。切れたまま気づかないと、現場での読み取りができなくなります。
在留期間の管理と同じ一覧に入れておくと、あわせて見られます。
一号特定技能外国人 建設現場入場届出書に添付する書類
届出書だけを出しても、内容を確かめる材料がありません。
| 添付する書類 | 何を示すか |
|---|---|
| 在留カードの写し(表・裏) | 在留資格と在留期間 |
| 建設特定技能受入計画の認定証の写し | 受入計画が認定されていること |
| 建設キャリアアップカードの写し | 技能者登録がされていること |
| パスポートの写し(指定書のページ) | 就労できる分野 |
| 雇用条件書の写し | 報酬の額と支払形態 |
| JAC加入を証する書類 | 機構への加入 |
帯が短くなるほど、現場に入るまでの日数が延びます。
基本の3点は、在留カード、受入計画の認定証、キャリアアップカードの写しです。この3点が揃っていれば、多くの現場でそのまま受理されます。
写しの取り方
在留カードは表と裏の両方を取ります。裏面には更新申請中の記載や資格外活動の許可が入るため、片面だけだと情報が欠けます。
パスポートは全ページではなく、指定書のページと顔写真のページに絞ります。必要な範囲を超えて集めると、保管する側の負担にもなります。
そのうえで、写しが読める濃さかどうかも確かめます。在留カードの番号がつぶれていると、照会ができません。
個人情報の扱い
これらの書類には、在留カード番号や生年月日といった情報が含まれます。現場の事務所に置いたままにせず、施錠できる場所で保管します。
工事が終わった後の扱いも決めておきます。保存期間を過ぎたものは、裁断して処分する形が一般的です。
誰が保管し、誰が見られるかを決めておくと、扱いが揺れません。
元請の指定様式を確認する
届出書の様式は、元請や建設業団体によって細部が違います。全国建設業協会の統一様式を使う現場もあれば、独自の様式を求める現場もあります。
そのため、着工前に元請へ確認しておくと、書き直しが避けられます。添付書類の点数も、現場によって求められる範囲が変わります。
建設現場入場届出書を出した後の管理
建設現場入場届出書は出して終わりではなく、期限のあるものが3つ残ります。
- 在留期間更新の申請状況を追う
- 受入計画内容が変われば変更手続き
- CCUS登録有効期間を管理する
3つとも、切れると就労そのものに影響します。
在留期間が切れれば就労できなくなり、受入計画の認定が実態と合わなくなれば届出書の内容が事実と違うことになります。この場合、現場に入れない事態になります。
期限の一覧を作る
在留期間、受入計画の認定、キャリアアップの登録の3つを、1つの表にまとめます。人ごとに行を作り、それぞれの期限を書いておきます。
そのうえで、期限の3か月前に印が付く形にしておくと、動き出す時期が分かります。表計算のソフトであれば、条件付き書式で色を変える方法があります。
複数の現場に人を出している会社ほど、この一覧が効いてきます。
支援の実施状況も残す
特定技能1号では、受け入れる側に支援の実施が求められます。生活のオリエンテーション、日本語学習の機会、相談への対応などが含まれます。
これらは届出書とは別の記録になりますが、実施した内容と日付を残しておくと、届出の際にも使えます。
登録支援機関に委託している場合も、実施の報告を受けて手元に残します。
現場が変わったら出し直す
届出書は、現場ごとに提出するものです。別の現場に移れば、その現場の元請へ改めて出します。
同じ人であっても、前の現場に出した写しがそのまま使えるわけではありません。その時点の在留カードと認定の状況で、作り直します。
とはいえ、添付書類の写しは使い回せることが多いため、最新の状態かどうかを確かめたうえで再利用します。
建設現場入場届出書と他の安全書類の整合
届出書は単独ではなく、他の安全書類と内容が一致している必要があります。
| つながる書類 | 揃えるところ |
|---|---|
| 作業員名簿 | 氏名・生年月日・所属・従事する作業 |
| 新規入場者調査票 | 経験年数・資格・健康状態 |
| 施工体制台帳・再下請負通知書 | 所属する会社の位置づけ |
| 資格・特別教育の管理表 | 保有する資格と修了年月日 |
| 入退場記録簿 | 実際に入った日 |
- 1 作業員名簿 現場に入る全員
- 2 入場届出書 外国人の詳細
- 3 新規入場者教育 入場前の教育
- 4 入退場記録 実際の就業
名簿に書いた氏名と届出書の氏名が違うと、それだけで確認が止まります。ローマ字と漢字、通称名の扱いをどちらかに統一しておきます。
教育は言葉が通じる形で行う
新規入場者教育は、内容が伝わってはじめて意味を持ちます。日本語だけで説明して、うなずいていたから伝わったとは限りません。
母国語の資料を用意する、図と写真を使う、通訳できる人に同席してもらう。どれか1つでも入れると、伝わり方が変わります。
そのうえで、何を伝えたかを記録に残します。災害が起きたとき、教育の内容が問われる場面があります。
作業員名簿との照合
作業員名簿に書く「従事する作業」と、受入計画の認定の区分を照らします。ここがずれていると、資格の範囲外の作業に就いていることになります。
配置換えが起きたときは、両方を見直します。名簿だけ直して認定の区分を放置すると、書類の上でも実態でもずれが残ります。
保管の期間
安全書類の保管は、工事の完了後も一定期間続きます。届出書と添付書類も、この期間にあわせて残します。
一方で、個人情報を含むため、期間を過ぎたものは処分します。残し続けることが安全側とは限りません。
様式は一号特定技能外国人 建設現場入場届出書テンプレートからダウンロードできます。作業員名簿は作業員名簿、新規入場者調査票は新規入場者調査票にまとめています。
よくある質問
技能実習生も同じ様式を使えますか。
別の様式が用意されています。一号特定技能外国人と技能実習生では制度が違い、確認する事項も変わるためです。在留カードの在留資格の欄を見て、どちらの様式を使うかを判断する形になります。取り違えると現場で差し戻されます。
受入計画の認定を受けていない状態で就労させられますか。
建設分野の特定技能では、建設特定技能受入計画の認定を受けたうえで受け入れる仕組みになっています。認定前に就労させることはできないため、認定証の写しを添えて届け出る形が求められます。
建設キャリアアップシステムの登録は必要ですか。
建設分野の特定技能では、外国人本人の技能者登録と、受け入れる事業者の登録が求められています。届出書には技能者IDと事業者IDの両方を書く欄があり、カードの写しを添付する形が一般的です。