全建統一様式とは|様式番号の見方と、自社様式でよい範囲

公開 2026年8月21日

目次14項目

安全書類の話をしていると、「第5号を出してください」という言い方が出てきます。

この番号は、全国建設業協会が定めている統一様式の番号です。番号だけで通じるほど広く使われている一方で、初めて聞くと何を指しているのか分かりません。

ポイントはここです。全建統一様式は、番号で呼び合うための共通の型です

ここでは、様式番号と書類名の対応、参考様式との違い、そして自社の様式を使ってよい範囲を整理します。

全建統一様式は誰が定めているのか

全建統一様式は、全国建設業協会(全建)が作成・公開している、建設現場の労務安全関係書類の統一様式です。

法令が定めた様式ではありません。会社ごと・現場ごとにばらばらだった書式を揃えるために業界団体がまとめたもので、多くの元請が採用した結果、事実上の標準になりました。

法定様式ではないため、使わなければ違法になるという性質のものではありません。 一方で、元請が提出様式として指定している場合は、その現場のルールとして従うことになります。

全建統一様式の様式番号と書類名

全建統一様式の番号と書類名の対応は、次のようになっています。

様式番号書類名
第1号-甲再下請負通知書(変更届)
第1号-甲 別紙外国人建設就労者等現場入場届出書
第1号-乙下請負業者編成表
第2号施工体制台帳作成建設工事の通知
第3号施工体制台帳
第4号工事作業所災害防止協議会兼施工体系図
第5号作業員名簿
第6号工事安全衛生計画書
第7号新規入場時等教育実施報告書
第8号安全ミーティング報告書
第9号移動式クレーン・車両系建設機械等使用届
第10号持込機械届済証
第11号有機溶剤・特定化学物質等持込使用届

最もよく使われるのが第5号(作業員名簿)です。検索でも「第5号」という言葉だけで探されることが多く、それだけ提出頻度が高い書類だと分かります。

番号は改訂で入れ替わることがあります。 現場から番号で指定されたときは、番号だけでなく書類名も確認しておくと、違うものを用意する事態を避けられます。

参考様式という枠

統一様式には、本体の様式とは別に「参考様式」という枠があります。

参考様式書類名
参考様式第1号施工体制台帳(工事担当技術者)
参考様式第2号施工体制台帳(監理(主任)技術者用名札)
参考様式第3号安全衛生計画書
参考様式第4号新規入場者調査票
参考様式第5号作業間連絡調整書
参考様式第6号持込機械等(電動工具・電気溶接機等)使用届
参考様式第7号持込機械届済証
参考様式第8号工事・通勤用車両届
参考様式第9号火気使用願

現場でよく使う新規入場者調査票や火気使用願は、こちらの枠に入っています。本体の様式ほど統一されていない領域のため、現場ごとに独自の書式が使われていることも多い部分です。

全建統一様式の改訂で変わってきたこと

全建統一様式は、法改正や制度の変化に合わせて改訂されてきました。

改訂5版では、監理技術者の専任義務の緩和や主任技術者の配置義務の見直しを受けて、施工体制台帳・再下請負通知書・作業員名簿などが見直されています。建設キャリアアップシステム(CCUS)の事業者IDや技能者IDを記載する欄も、この流れで加わりました。

その後の改訂6版は、令和6年(2024年)10月1日付のものが公開されています。

改訂のたびに欄が増減するため、古い版のファイルを使い回していると、新しい欄が空欄のまま提出されることになります。年度が変わるタイミングで、手元のファイルが最新版かを確認しておくと安心です。

全建統一様式の最新版の入手先

全建統一様式の配布元は全国建設業協会です。最新版は同協会から入手できます。

第三者のサイトでも配布されていますが、版が古いままになっていることがあります。元請から統一様式を指定されている場合は、配布元の最新版か、元請から渡されたファイルを使うのが確実です。

自社の様式を使ってよい範囲

全建統一様式は法定様式ではないため、自社の様式を使える場面もあります。

場面使える様式
元請が統一様式を指定している指定された統一様式
元請が独自様式を指定している元請の様式
様式の指定がない記載事項を満たしていれば自社様式でよい
社内の管理用に使う自社様式でよい

判断の軸は、様式そのものではなく記載事項が満たされているかです。作業員名簿であれば、氏名・職種・経験年数・保険の加入状況・資格・緊急連絡先といった項目が揃っているかが見られます。

当サイトのテンプレートは、この記載事項をもとに項目を整理した独自様式です。

統一様式そのものではないため、指定がある現場では指定様式が優先されます。

指定がない場面や、下書きとして項目を洗い出したい場面でお使いいただけます。

なぜ統一様式が生まれたか

統一様式が広まった背景には、書式がばらばらだった時代の負担があります。

同じ作業員名簿でも、元請ごとに項目の並びも用紙のサイズも違う。

下請は現場が変わるたびに書き直し、元請は集まった書類の様式が揃わないため確認に時間がかかる。

この状態を解消するために、業界団体が共通の様式をまとめました。

そのため統一様式は、法令が求める記載事項を満たしつつ、現場の実務で必要になる項目を足した形になっています。法令だけを見て作った様式より欄が多いのは、この経緯によるものです。

番号で指定されたときの探し方

現場から「第5号を出してください」と言われたときは、次の順序で確認すると間違えません。

  1. 1 書類名を確認 番号だけで判断しない
  2. 2 版を確認 改訂何版の様式か
  3. 3 入手先を確認 元請から渡されるか、自分で用意するか
  4. 4 記入して提出 記載事項が埋まっているか確認
番号で指定されたときは、書類名と版まで確認してから用意する

番号だけで判断しないのは、改訂で番号が動くことがあるためです。相手が古い版の番号で話している場合、番号を頼りに用意すると違う書類になります。

版の確認も同じ理由です。

手元にあるファイルが何版のものかは、様式の隅に記載があることが一般的です。

分からない場合は、元請から渡されたファイルを使うのが確実になります。

自社様式で進めるときの確認点

様式の指定がない現場では、自社の様式を使えます。その場合に見ておくとよいのは、次の3点です。

1つ目は、記載事項が揃っているかどうかです。

作業員名簿であれば、氏名・職種・経験年数・保険の加入状況・資格・緊急連絡先といった項目が入っているかを確認します。

項目が足りないと、提出したあとに追記を求められます。

2つ目は、提出先が読める形かどうかです。

元請は多くの会社から書類を受け取るため、極端に独自の並びだと確認に時間がかかります。

統一様式に近い並びにしておくと、受け取る側の負担が減ります。

3つ目は、社内で使い続けられるかどうかです。

現場ごとに様式を変えていると、社内に情報が溜まりません。

自社様式を1つ決めて、指定がある現場だけ差し替える形にすると、元データが1か所に集まります。

版が変わったときにすること

改訂があったときは、手元の運用も合わせて見直すと、後の手間が減ります。

確認するのは、増えた欄と減った欄です。

増えた欄は、社内のどの情報から埋めるのかを決めておきます。

新しい欄が加わったのに、その情報を社内で持っていないと、提出のたびに調べ物が発生します。

古い版のファイルは、フォルダを分けて残しておく形が扱いやすくなります。

過去に提出した書類を見返すときに、当時の様式のまま残っている方が経過を追えます。

上書きしてしまうと、いつ何を出したのかが分からなくなります。

全建統一様式が使われない場面

全建統一様式は広く使われていますが、すべての現場で使われているわけではありません。

ゼネコンによっては、独自の様式を整備しています。

項目は統一様式に近いものの、並びや用紙のサイズが違うため、そのまま流用できないことがあります。

この場合は、指定された様式に転記する作業が発生します。

公共工事では、発注機関が様式を示していることもあります。国や自治体の工事では、機関ごとの書式集が公開されている場合があり、そちらが優先されます。

小規模な工事や、元請が個人事業の場合は、そもそも様式の指定がないこともあります。

この場合は、記載事項を満たしていれば自社の様式で問題ありません。

むしろ、必要のない欄まで埋めようとして時間を使う方が惜しくなります。

どの場面でも共通しているのは、求められているのは様式ではなく記載事項だという点です。

様式が変わっても、書く内容そのものは大きく変わりません。

社内に元データを持っておけば、どの様式が来ても転記で対応できます。

手元に置いておくと楽になるもの

様式そのものより、その前段の情報を整えておく方が、結果として提出は早くなります。

具体的には、会社の情報(商号・所在地・許可番号と有効期限・保険の加入状況)と、人の情報(資格・健康診断・保険)の2つです。この2つは、どの様式でも共通して求められます。

会社の情報は年に1回見直せば足ります。

許可の有効期限が近づいていないか、保険の加入状況に変更がないか。

年度の初めに確認する日を決めておくと、期限切れの許可番号を書いてしまう事故を防げます。

人の情報は、動きが多いぶん更新の頻度が上がります。

資格を取ったとき、健康診断を受けたとき、入退社があったとき。

そのつど1つの表に反映しておくと、名簿づくりが転記だけで終わります。

この2つが整っていると、統一様式でも独自様式でもクラウドでも、同じ手間で提出できるようになります。様式の違いに振り回されない状態をつくることが、いちばんの近道です。

番号と書類名の対応を手元に置く

現場とのやり取りは、番号で進むことが多くなります。

番号を聞いてから調べ直していると、その都度時間がかかります。よく使う番号と書類名の対応を1枚にまとめ、事務所と現場の両方に置いておくと、確認の往復が減ります。

特に使用頻度が高いのは、第1号-甲(再下請負通知書)、第3号(施工体制台帳)、第4号(施工体系図)、第5号(作業員名簿)、第6号(工事安全衛生計画書)です。この5つを覚えておくと、多くのやり取りはその場で通じます。

版が変わったときは、この対応表も一緒に見直しておくと安心です。

現場から番号で指示を受けたときに、その場で書類名を言い返して確認する習慣を持っておくと、行き違いはほとんど起きなくなります。

「第5号、作業員名簿ですね」と一言添えるだけで、相手が別の書類を想定していた場合にその場で気づけます。

番号は短く便利な反面、取り違えたときの手戻りが大きいという性質があります。

書類名まで口に出して確認するのは、ひと手間に見えて、結果としていちばん早い方法になります。

用意し直す時間と比べれば、その場の数秒は小さなものです。

クラウド提出が増えている

近年は、安全書類をクラウドサービス上で提出する現場が増えています。

この場合、Excelのファイルを送るのではなく、画面に直接入力する形になります。

それでも、手元で項目を整理しておく意味は残ります。

入力の前に情報が揃っていないと、画面を開いてから調べ物が始まるためです。

作業員名簿であれば、社内の資格・特別教育 管理表を先に作っておくと、どの提出方法でも転記だけで済みます。書き方の詳細は作業員名簿の書き方で整理しています。

よくある質問

全建統一様式は必ず使わないといけませんか。

法令が定めた様式ではないため、使わなければ違法になるという性質のものではありません。元請から指定がある場合は、その現場のルールとして指定様式を使うことになります。

最新版はどこで入手できますか。

配布元は全国建設業協会です。第三者のサイトでは版が古いままのことがあるため、指定がある場合は配布元の最新版か、元請から渡されたファイルをお使いください。

関連するテンプレート

関連する記事