全建統一様式とは|様式番号の見方と使い分け

公開 2026年8月21日/更新 2026年10月3日

商い屋 建設 編集部法令の原文と省庁の資料で確認:2026年10月3日
目次17項目

安全書類の話をしていると、「第5号を出してください」という言い方が出てきます。この番号は、全国建設業協会(全建)の統一様式として広まった様式の番号です。番号だけで通じるほど広く使われている一方で、初めて聞くと何を指しているのか分かりません。

ポイントはここです。全建統一様式は、番号で呼び合うための共通の型です。

ここでは、様式番号と書類名の対応、参考様式との違い、そして自社の様式を使ってよい範囲を整理します。

全建統一様式は誰が定めているのか

全建統一様式は、全国建設業協会(全建)がまとめた、建設現場の労務安全関係書類の統一様式とされています。法令が定めた様式ではありません。

会社ごと・現場ごとにばらばらだった書式を揃えるために業界団体がまとめたもので、多くの元請が採用した結果、事実上の標準になりました。

法定様式ではないため、使わなければ違法になるという性質のものではありません。一方で、元請が提出様式として指定している場合は、その現場のルールとして従うことになります。

全建統一様式の様式番号と書類名

全建統一様式のうち、施工体制にかかわる番号は、現場で次のように呼ばれています。

様式番号書類名
第1号-甲再下請負通知書(変更届)
第1号-乙下請負業者編成表
第2号施工体制台帳作成建設工事の通知
第3号施工体制台帳
第4号工事作業所災害防止協議会兼施工体系図
第5号作業員名簿

第6号より後ろには、車両や持込機械、火気、有機溶剤などの使用の届けが並ぶ形が一般的です。ただし、6号以降の番号と書類名の対応は、出回っている版や元請の手直しによって違いがあります。全建の公開ページでも一覧を確かめられなかったため(2026年10月3日時点)、ここでは番号を挙げません。

最もよく使われるのが第5号(作業員名簿)です。検索でも「第5号」という言葉だけで探されることが多く、それだけ提出頻度が高い書類だと分かります。

ただし、番号は改訂で入れ替わることがあります。現場から番号で指定されたときは、番号だけでなく書類名も確認しておくと、違うものを用意する事態を避けられます。

参考様式という枠

統一様式には、本体の様式とは別に「参考様式」という枠があるとされています。番号と書類名の対応は版によって違いがあるため、受け取ったファイルの右上の表記で確かめます。

現場でよく使う新規入場者調査票や安全衛生計画書、火気使用願などは、本体の様式ほど統一されていない領域です。現場ごとに独自の書式が使われていることも多い部分のため、元請の指定を先に確かめます。

全建統一様式の改訂で変わってきたこと

全建統一様式は、法改正や制度の変化に合わせて改訂されてきました。様式の右上や欄外に「改訂◯版」などの表記があるのが一般的です。

たとえば2020年10月1日の建設業法の改正で、作業員名簿の内容が施工体制台帳の一部として扱われるようになり、監理技術者補佐の欄も加わりました。社会保険の加入状況や、建設キャリアアップシステム(CCUS)の事業者IDや技能者IDを書く欄も、こうした流れで広まってきたものです。

改訂のたびに欄が増減するため、古い版のファイルを使い回していると、新しい欄が空欄のまま提出されることになります。そのため、年度が変わるタイミングで、手元のファイルが最新版かを確認しておくと安心です。

全建統一様式の最新版の入手先

全建統一様式は全国建設業協会がまとめた様式とされていますが、2026年10月3日に確かめた時点では、同協会の公開ページに様式の一覧やダウンロードの案内は見当たりませんでした。

第三者のサイトでも配布されていますが、版が古いままになっていることがあります。そのため、元請から統一様式を指定されている場合は、元請から渡されたファイルを使うのがいちばん確実です。手元のファイルを使うときは、版の表記を元請の指定と照らしておきます。

自社の様式を使ってよい範囲

全建統一様式は法定様式ではないため、自社の様式を使える場面もあります。

場面使える様式
元請が統一様式を指定している指定された統一様式
元請が独自様式を指定している元請の様式
様式の指定がない記載事項を満たしていれば自社様式でよい
社内の管理用に使う自社様式でよい

判断の軸は、様式そのものではなく記載事項が満たされているかです。作業員名簿であれば、氏名・職種・経験年数・保険の加入状況・資格・緊急連絡先といった項目が揃っているかが見られます。

当サイトのテンプレートは、この記載事項をもとに項目を整理した独自様式です。統一様式そのものではないため、指定がある現場では指定様式が優先されます。指定がない場面や、下書きとして項目を洗い出したい場面でお使いいただけます。

なぜ統一様式が生まれたか

統一様式が広まった背景には、書式がばらばらだった時代の負担があります。同じ作業員名簿でも、元請ごとに項目の並びも用紙のサイズも違う。

下請は現場が変わるたびに書き直し、元請は集まった書類の様式が揃わないため確認に時間がかかる。この状態を解消するために、業界団体が共通の様式をまとめました。

そのため統一様式は、法令が求める記載事項を満たしつつ、現場の実務で必要になる項目を足した形になっています。法令だけを見て作った様式より欄が多いのは、この経緯によるものです。

番号で指定されたときの探し方

現場から「第5号を出してください」と言われたときは、次の順序で確認すると間違えません。

  1. 1 書類名を確認 番号だけで判断しない
  2. 2 版を確認 改訂何版の様式か
  3. 3 入手先を確認 元請から渡されるか、自分で用意するか
  4. 4 記入して提出 記載事項が埋まっているか確認
番号で指定されたときは、書類名と版まで確認してから用意する

番号だけで判断しないのは、改訂で番号が動くことがあるためです。相手が古い版の番号で話している場合、番号を頼りに用意すると違う書類になります。

版の確認も同じ理由です。手元にあるファイルが何版のものかは、様式の隅に記載があることが一般的です。分からない場合は、元請から渡されたファイルを使うのが確実になります。

自社様式で進めるときの確認点

様式の指定がない現場では、自社の様式を使えます。その場合に見ておくとよいのは、次の3点です。

1つ目は、記載事項が揃っているかどうかです。作業員名簿であれば、氏名・職種・経験年数・保険の加入状況・資格・緊急連絡先といった項目が入っているかを確認します。項目が足りないと、提出したあとに追記を求められます。

2つ目は、提出先が読める形かどうかです。元請は多くの会社から書類を受け取るため、極端に独自の並びだと確認に時間がかかります。そのうえで、統一様式に近い並びにしておくと、受け取る側の負担が減ります。

3つ目は、社内で使い続けられるかどうかです。現場ごとに様式を変えていると、社内に情報が溜まりません。自社様式を1つ決めて、指定がある現場だけ差し替える形にすると、元データが1か所に集まります。

版が変わったときにすること

改訂があったときは、手元の運用も合わせて見直すと、後の手間が減ります。確認するのは、増えた欄と減った欄です。

増えた欄は、社内のどの情報から埋めるのかを決めておきます。新しい欄が加わったのに、その情報を社内で持っていないと、提出のたびに調べ物が発生します。

古い版のファイルは、フォルダを分けて残しておく形が扱いやすくなります。過去に提出した書類を見返すときに、当時の様式のまま残っている方が経過を追えます。逆に、上書きしてしまうと、いつ何を出したのかが分からなくなります。

全建統一様式が使われない場面

全建統一様式は広く使われていますが、すべての現場で使われているわけではありません。

ゼネコンによっては、独自の様式を整備しています。項目は統一様式に近いものの、並びや用紙のサイズが違うため、そのまま流用できないことがあります。この場合は、指定された様式に転記する作業が発生します。

公共工事では、発注機関が様式を示していることもあります。国や自治体の工事では、機関ごとの書式集が公開されている場合があり、そちらが優先されます。

小規模な工事や、元請が個人事業の場合は、そもそも様式の指定がないこともあります。この場合は、記載事項を満たしていれば自社の様式で問題ありません。むしろ、必要のない欄まで埋めようとして時間を使う方が惜しくなります。

どの場面でも共通しているのは、求められているのは様式ではなく記載事項だという点です。様式が変わっても、書く内容そのものは大きく変わりません。社内に元データを持っておけば、どの様式が来ても転記で対応できます。

手元に置いておくと楽になるもの

様式そのものより、その前段の情報を整えておく方が、結果として提出は早くなります。具体的には、会社の情報(商号・所在地・許可番号と有効期限・保険の加入状況)と、人の情報(資格・健康診断・保険)の2つです。この2つは、どの様式でも共通して求められます。

会社の情報は年に1回見直せば足ります。許可の有効期限が近づいていないか、保険の加入状況に変更がないか。年度の初めに確認する日を決めておくと、期限切れの許可番号を書いてしまう事故を防げます。

人の情報は、動きが多いぶん更新の頻度が上がります。資格を取ったとき、健康診断を受けたとき、入退社があったとき。そのつど1つの表に反映しておくと、名簿づくりが転記だけで終わります。

この2つが整っていると、統一様式でも独自様式でもクラウドでも、同じ手間で提出できるようになります。様式の違いに振り回されない状態をつくることが、いちばんの近道です。

番号と書類名の対応を手元に置く

現場とのやり取りは、番号で進むことが多くなります。番号を聞いてから調べ直していると、その都度時間がかかります。よく使う番号と書類名の対応を1枚にまとめ、事務所と現場の両方に置いておくと、確認の往復が減ります。

特に使用頻度が高いのは、第1号-甲(再下請負通知書)、第3号(施工体制台帳)、第4号(施工体系図)、第5号(作業員名簿)です。この4つを覚えておくと、多くのやり取りはその場で通じます。

版が変わったときは、この対応表も一緒に見直しておくと安心です。そのうえで、現場から番号で指示を受けたときに、その場で書類名を言い返して確認する習慣を持っておくと、行き違いはほとんど起きなくなります。

「第5号、作業員名簿ですね」と一言添えるだけで、相手が別の書類を想定していた場合にその場で気づけます。

番号は短く便利な反面、取り違えたときの手戻りが大きいという性質があります。書類名まで口に出して確認するのは、ひと手間に見えて、結果としていちばん早い方法になります。用意し直す時間と比べれば、その場の数秒は小さなものです。

全建統一様式にかかわる最近の動き(2026年10月時点)

全建統一様式そのものの改訂は、全建の公開ページでは確かめられませんでした。一方で、様式に書く中身を決めている法令と運用は、ここ数年で次のように動いています。

時期内容根拠
2020年10月1日作業員名簿が施工体制台帳の一部になり、監理技術者補佐の欄が加わった令和元年法律第30号・令和2年国土交通省令第69号
2024年11月6日作業員の保険加入はCCUSの登録情報で確かめるのを原則とし、使わない場合は「資格情報のお知らせ」や「資格確認書」の写しで確かめる方法が示された国土交通省 事務連絡
2025年2月1日施工体制台帳の作成が要る下請代金の総額が5,000万円(建築一式8,000万円)に建設業法施行令第7条の4
2025年12月1日有効期限前の健康保険証の写しで加入を確かめられる期限(最長)国土交通省 事務連絡(2024年11月6日)
2026年4月1日改正労働安全衛生法の主な部分が施行。元方事業者などの措置の対象が、一人親方などの「作業従事者」にも広がった令和7年法律第33号

全建統一様式で影響が大きいのは、作業員名簿の保険欄の裏づけに健康保険証の写しが使えなくなったことです。欄の名前が同じでも、添える写しが変わるため、元請の案内で何を出すかを確かめておきます。

出典:

確認日は2026年10月3日です。様式の版と提出先は現場の元請の安全担当、施工体制台帳の記載事項は許可を受けた行政庁(地方整備局や都道府県の建設業担当課)で確かめられます。

全建統一様式に出てくる用語

全建統一様式の書類名には、条文から来た言葉と、現場の通称が混ざっています。

用語意味出典
統一様式業界団体などが書式をそろえるために示した様式。法令上の定義はない全国建設業協会など
施工体制台帳下請を使う元請が、工事の体制を書いて現場に備える台帳建設業法第24条の8
再下請負通知書下請が自社の下に会社を入れたときに元請へ出す書面建設業法施行規則第14条の4
施工体系図各下請の施工の分担を系統的に示した図。現場に掲示する建設業法第24条の8第4項
作業員名簿現場で働く人の氏名・保険・資格などをまとめた表の通称。法令上の定義はない記載事項は建設業法施行規則第14条の2第1項第2号チ・第4号チ
CCUS建設キャリアアップシステム。技能者の資格や就業履歴を登録する仕組み。法令上の定義はない国土交通省・建設業振興基金

全建統一様式の用語で迷いやすいのは「施工体制台帳」と「施工体系図」です。台帳は元請が現場に備える記録で、体系図はその要約を図にして掲示するものです。

全建統一様式と一緒に押さえておきたいこと

全建統一様式の作業員名簿は、台帳と一緒に残る

施工体制台帳を作る工事では、作業員名簿の内容は台帳の一部になります。台帳は工事の目的物の引渡しをするまで現場に備え置くと定められているため(建設業法施行規則第14条の7)、途中で入れ替わった人の分も含めて、名簿の版を工事ごとにまとめておくと、後から照会を受けたときに出せます。

全建統一様式でも、資格欄は本人の希望で除ける

作業員名簿の資格の欄は、施工体制台帳の記載事項のうち、本人が希望しない場合に除けるものとされています(建設業法施行規則第14条の2第1項第2号チの括弧書き)。統一様式に欄があっても、記入を強制する欄ではないと知っておくと、集めるときの説明がしやすくなります。

全建統一様式の元請確認欄は、下請が埋めない

作業員名簿などの上部には、元請が受け取って確かめた日や担当者を書く欄がある様式が多くあります。ここは元請が使う欄なので、下請の側では空けたまま提出します。先に埋めてしまうと、元請が確かめていないのに確認済みに見えるためです。

クラウド提出が増えている

近年は、安全書類をクラウドサービス上で提出する現場が増えています。この場合、Excelのファイルを送るのではなく、画面に直接入力する形になります。

それでも、手元で項目を整理しておく意味は残ります。入力の前に情報が揃っていないと、画面を開いてから調べ物が始まるためです。

作業員名簿であれば、社内の資格・特別教育 管理表を先に作っておくと、どの提出方法でも転記だけで済みます。書き方の詳細は作業員名簿の書き方で整理しています。

商い屋 建設 編集部がまとめました建設業の様式を無料で配り、使い方と法令の決まりを記事にまとめています。法令の数字は e-Gov の原文で確かめてから載せています。

よくある質問

全建統一様式は必ず使わないといけませんか。

法令が定めた様式ではないため、使わなければ違法になるという性質のものではありません。元請から指定がある場合は、その現場のルールとして指定様式を使うことになります。

最新版はどこで入手できますか。

全国建設業協会がまとめた様式とされていますが、2026年10月3日時点で同協会の公開ページには様式の一覧やダウンロードの案内を確認できませんでした。第三者のサイトでは版が古いままのことがあるため、指定がある場合は元請から渡されたファイルを使うのが確実です。

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